前回は「えほんやさん」をつくるにあたって、本の仕入れや什器について書きました。
今回は、もうちょっと突っ込んだ内容を書きたいなと思っています。
本の選び方
それらは、絵本作家として、お母さんとしての目線で読み、より多くの人に触れてほしいと思った絵本たちです。
なので、絵本に関してはそれほどマニアックでない妹や夫と相談しながらバランスを見て選書しています。
子どもが女の子なので、無意識に女の子寄りな絵本を選びがちでしたが、妹の子どもが男の子なので、くるまや電車などの乗り物系絵本についてアドバイスをもらえたりして助かっています。
絵本の並べ方は、作家別、出版社別には並べていません。
大テーマ、小テーマと2つテーマを決めて、それに沿った絵本を並べ、目立たせたいものや原画展をしている作家さんの絵本を、お店にはいってすぐ目にはいる場所に配置しています。
絵本をつくるとき、どういうイメージの本にするか、どういうタイミングで読んで欲しいかなど、季節に合わせて内容を考えることが多いです。
例えば、夏の暑い時に温泉の絵本を読むより、冬の寒い時期に読んでほかほかな気分になってほしいなど、絵本を作るときそうするように、生活に密着した絵本を紹介したいなと思うのです。
絵本たちは、並べ方によって見え方が変わってくるので、たびたび棚を触ってレイアウトを変えています。
いつも同じ絵本が同じ場所にずっとたたずんでいるのを見つけると、悲しくなることってありませんか?
お店に遊びに行くたびに表情が変わって見えるよう、テーマによって入れ替えたり工夫をしていきたいなと思っています。
やグッズも一緒に並べ、ちょっとしたかこさとしさんコーナーが出来ていますよ^^
お店の内装について
お店の外からのぞいた時に、本がずらっと並んでいる様子が見えるのが好きだからです。
「えほんやさん」で扱っている本は、返本ができないので飲食で汚れてしまうのは困る、ということもありましたが、返本OKだから汚してもいい環境をつくるというのは少し違和感がありました。
お客さんの出入りは把握しつつ、適度な距離感で絵本を楽しんでもらえる感じになったのではないかなと思っています。
POPについて
でも、立っている人が気軽に読めるくらいの文字数でキャッチーな言葉を全部の本につけることも難しいし、かと言って、数冊だけを選んでPOPをつけるのも違うなぁ(どの絵本も全部好き)と思って、なかなかPOP制作に踏み込めずにいます。
いまのところ「絵本の表紙には力があるので、それに引き寄せられて手にとる出会いを大切にしてほしいな」という結論に至って います。
でも、好きな絵本について語りたい!という気持ちもあるので私の個人インスタグラムやフェイスブック、ブログで「#えがしらみちこのおすすめ絵本」と称してゆっくり投稿しています。
グッズやZINEについて
ネットにはなくて「えほんやさん」でしか買えないものって何かなぁと考え、まずはオリジナルグッズを作りました。
これまで個展やイベントなどで販売していたポストカードや一筆箋に加え、マスキングテープやミニカード、トートバックもつくりました。
私の絵のグッズしかないのも嫌だなぁと思って、知り合いのイラストレーターさんたちがポストカードやZINE(小規模な刊行物)を作っていることを知っていたので、声をかけて、販売させてもらうことにしました。
どの方の絵も、私が個人的に大好きで、お店に置けたらいいなあと思っていたので、みなさんに快諾してもらえてほんとうに幸せです。
心を込めて商品を取り扱って販売するっていいなとしみじみ感じている今日この頃です。
えがしら みちこ
1978年、福岡県生まれ。熊本大学教育学部卒業。水彩を使用した透明感のある画風が特徴。絵本に『あめふりさんぽ』『さんさんさんぽ』『ゆきみちさんぽ』『はるかぜさんぽ』『ねんねのうた』『クリスマスのおとしもの』、『いちねんせいの1年間 わたし、もうすぐ2ねんせい!』(文・くすのきしげのり)『せんそうしない』『ありがとう』(ともに文・谷川俊太郎)『はこちゃん』(文・かんのゆうこ 以上すべて講談社)、『おたんじょうケーキをつくりましょ』(教育画劇)、『なきごえバス』(白泉社)、『いろいろおてがみ』(小学館)、『しいちゃんおひめさまになる』(アリス館)、『あのね あのね』(あかね書房)、『あなたのことが だいすき』(原案・西原理恵子 KADOKAWA)など、装画と挿絵に『あかりさん、どこへ行くの?』(フレーベル館)、『さくら 原発被災地にのこされた犬たち』(金の星社)などがある。雑誌や教科書などの挿絵も多く手がけている。2018年、子育てママパパの居場所にと、静岡県三島市に絵本専門店「えほんやさん」をオープン。代表もつとめている。 http://www.tenkiame.com/
1978年、福岡県生まれ。熊本大学教育学部卒業。水彩を使用した透明感のある画風が特徴。絵本に『あめふりさんぽ』『さんさんさんぽ』『ゆきみちさんぽ』『はるかぜさんぽ』『ねんねのうた』『クリスマスのおとしもの』、『いちねんせいの1年間 わたし、もうすぐ2ねんせい!』(文・くすのきしげのり)『せんそうしない』『ありがとう』(ともに文・谷川俊太郎)『はこちゃん』(文・かんのゆうこ 以上すべて講談社)、『おたんじょうケーキをつくりましょ』(教育画劇)、『なきごえバス』(白泉社)、『いろいろおてがみ』(小学館)、『しいちゃんおひめさまになる』(アリス館)、『あのね あのね』(あかね書房)、『あなたのことが だいすき』(原案・西原理恵子 KADOKAWA)など、装画と挿絵に『あかりさん、どこへ行くの?』(フレーベル館)、『さくら 原発被災地にのこされた犬たち』(金の星社)などがある。雑誌や教科書などの挿絵も多く手がけている。2018年、子育てママパパの居場所にと、静岡県三島市に絵本専門店「えほんやさん」をオープン。代表もつとめている。 http://www.tenkiame.com/