「読解力」の2大要素である「語彙力」と「要約力」。
第3回では、「要約力」を高める方法をご紹介します。「要約力」とは、話の要点をつかみ、わかりやすくまとめる能力のこと。日常生活の会話はもちろん、遊びを通してでも「要約力」を身につけることは可能です。
引き続き、アクティブラーニング型の探究学習塾RAKUTO代表の福島美智子さんと、同塾で教務部コンテンツ開発課課長を務める福島万莉瑛さんにお話を伺います。(以下、お二人の話を再構成しました)
(全4回の3回目。#1、#2を読む)
要約力がないとどうなる?
「要約力」とは、話の内容をまとめる力。文章をまとめる時はもちろん、自分の考えをまとめる時、そしてその考えを相手に伝える時にも必要な能力です。
第1回で解説したとおり、今後は自分の考えを簡潔かつわかりやすく伝える力が求められていきます。大学の一般入試では、面接や志望理由書を導入する大学も増えてきていますし、推薦入試では、小論文やプレゼンテーションなども実際に導入が始まっています。
大学入試に限らず、小学校や中学校の勉強においても「要約力」は必要です。「要約力」がないと要点をつかめないため、問題文や物語の内容を理解できず、テストの点数も下がってしまいます。
まずは会話で要約の練習をしてみよう
要約力を伸ばしていくために、会話を通じて要約する練習をしてみましょう。おすすめは一日のあらすじを考える方法です。
やり方は簡単です。寝る前などに、その日の出来事を子どもに話してもらいます。この時は、要約をしようとせず、一気に話してもらうだけでOK。子どもが話し終わったら、「いつ」「誰が」「どこで」「誰と」「何をしたの」と、一つずつ質問をします。質問に沿って、子どもが答えるだけなので、簡単に要約ができますよ。
基本的な質問はこの5つですが、「なんでそうなったの?」など、話のなかで、気になることがあれば追加で聞いても構いません。
子どもがうまく答えられない場合には、親が代わりに要約してあげてもいいでしょう。特に最初は慣れなくて、話のポイントがどこなのかわからない場合も多いですから、お手本を見せるのは大切です。
こちらの方法は、話せる子であれば、幼児でも小学生でも共通して使える方法です。ただし、まだうまく話せない子の場合は、その日の出来事を親が要約して、話してあげるといいでしょう。