2022.01.27

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コロナ予防こどもへの伝え方 感染症専門医・忽那賢志先生に聞く

こどものコロナ予防 忽那賢志先生(感染症専門医)がこどもへの伝え方を助言

児童図書編集チーム

新型コロナウイルス感染症の流行は全国で第6波を迎えており、新規感染者が増加しています(2022年1月現在)。

日本でも従来のデルタ株にくわえ、新たな変異株「オミクロン株」が現れました。今後は大人だけでなく、こども達にも、今まで以上に「感染防止」の大切さを伝え実行することが重要となりそうです。

そこで、新型コロナウイルス感染症などを専門とする感染症医で、こども向けの書籍『絵本 はたらく細胞 3 はじめての敵! 新型コロナウイルス』の監修もつとめる、大阪大学教授・忽那賢志(くつな・さとし)先生にお話を伺いました。

忽那賢志(くつな・さとし)先生
感染症専門医。大阪大学医学系研究科 感染制御学講座 教授 兼 大阪大学医学部附属病院 感染制御部 部長。専門は新興再興感染症、新型コロナウイルス感染症など。
(イラスト『絵本 はたらく細胞 3 はじめての敵! 新型コロナウイルス』より 絵:牧村久実)

こどもへ新型コロナウイルスについて伝えるには、どうしたらいいですか?

こどもへ新型コロナウイルスについて伝える際、「どんなポイントを伝えるべきか」教えてください。

<忽那先生>感染症は人から人にうつるのが特徴です。自分が感染しても辛いですし、それを誰かにうつしてしまうのも辛いことです。

そういったことを含めて感染対策の大事さをご説明いただくのが良いのではないかと思います。絵本は、特に小さいおこさんと一緒に見ながら感染症の基本について学ぶのに適していると思います。

コロナがまた大規模に感染拡大しています。どうすればいいのでしょう?

初めの新型コロナウイルス感染拡大から3年が経過した今、改めて、こどもや保護者ができる取り組みを教えてください。

<忽那先生>これまで様々な変異株が出現してきましたが、コロナに対してやるべきことは変わっていません。手洗い、マスク着用、そして3密を避けるということです。

流行時だけではなく、落ち着いているときにも普段からできるようにしましょう。

こどものワクチン接種、日本ではどうなるのでしょうか?

12歳以上のワクチン接種が進んでいますが、先生が監修された絵本の対象読者でもある幼児〜小学生のこどもたちへ、日本でのワクチンの取り組みについて教えてください。

<忽那先生>今後、早ければ2022年3月頃から日本でも5歳から11歳にワクチン接種がはじまると思われます。回数は大人と同じ2回の接種になります。

打ったところが腫れる、熱が出る、といった副反応は頻度は大人よりも低いようです(接種する量が少ないためと思われます)。

ただし、心筋炎などの稀な副反応の情報についてはまだ不十分であり、今後の海外からの情報も踏まえて接種をご検討ください。

(※編集部注:厚生労働省は2022年1月21日、5~11歳に接種する米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを特例承認したと発表しました。また、忽那先生の回答内容は記事公開時のものです。情報は掲載時から変更になる場合があります)

絵本でコロナウイルスについて学ぶ

忽那先生が監修した『絵本 はたらく細胞 3 はじめての敵! 新型コロナウイルス』(牧村久実:作・絵、清水茜:原作)は、シリーズ累計700万部突破のベストセラーとなった体内細胞擬人化マンガ『はたらく細胞』(清水茜:作) を、こども向けに絵本化したシリーズの第3弾。

テーマは年少読者や家族にも切実な「新型コロナウイルス」。新しい変異株「オミクロン株」が現れ、流行がなかなか収束しない新型コロナウィルス感染症について、年少読者でも理解が深まる絵本となっています。

ストーリーは、「はたらく細胞」たちにとって「会ったことがない」「一見、たいしたことなさそう」な強敵・新型コロナウイルスと、白血球、赤血球たちが闘うという内容。マンガ原作ならではのテンポのよいお話を読んでいくうちに、以下のような<新型コロナウイルスの特徴>が学べる構成です。

1:症状が無くても他人に感染させてしまうことがあるの?(潜伏期間)
2:なぜ、食べ物の味やにおいがわからなくなるの?(味覚嗅覚障害)
3:細胞たちもうまく活躍できなくなる?(勢い余った免疫細胞が血管を傷つけて、炎症を起こすこともある。=血栓症)


原作マンガ『はたらく細胞』では、感染症との闘いにおいて、白血球の過激な攻撃シーンは魅力の一つ。しかし絵本シリーズでは、漫画家・イラストレーターの牧村久実さんによる、SDキャラクターのかわいい活躍で描写されており、親子で読める表現になっているのが特徴です。

同絵本シリーズは、「年少読者にもわかりやすい」「安心できる表現」と、こどもを持つ保護者からも好評で、これまで刊行された1巻『絵本 はたらく細胞 ばいきんvs.白血球たちの大血戦!』(※正しいタイトルは「血」に傍点表記)は7刷、2巻『絵本 はたらく細胞 2 超強敵! インフルエンザと食中毒』は3刷と版を重ねています。(※1・2巻の監修は医療法人ひかり会理事長兼パーク病院長・原田知幸先生)

作中には、からだのしくみについての解説もあり、小学校低学年にもわかりやすく工夫されています。忽那先生が監修した3巻は、「手洗いが面倒だ」「注射は痛いからいや」といった、こどもたちの疑問やクレームにも応える内容です。

感染が拡大する中、新型コロナウイルスについての正しい知識を、こども達へ伝えるのはますます重要になるでしょう。今後の感染症予防やワクチンの実施についての手助けとして、絵本を役立ててみてはいかがでしょうか。

絵本 はたらく細胞 3 はじめての敵! 新型コロナウイルス
(牧村久実:作・絵、清水茜:原作、忽那賢志:監修)

絵本 はたらく細胞 シリーズ

児童図書編集チーム

講談社 児童図書編集チームです。 子ども向けの絵本、童話から書籍まで、幅広い年齢層、多岐にわたる内容で、「おもしろくてタメになる」書...

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