2021.06.08

人気FPが太鼓判! 遊びながら節約リテラシーが学べるツール5選

節約アドバイザー・丸山晴美の「小学校までに身につけさせたい! お金に強い子になる教え」第4回

寄稿家:丸山晴美

節約アドバイザー・丸山晴美さんの長男(小6)は、貯金上手な子どもに成長しているとか。
写真:アフロ

店先で魅力的なおもちゃを見つけておねだりしたとき、親が食品を買っているときetc……。子どもはあらゆるシーンで、お金に興味を持ちます。そんなときこそ、子どもにマネー教育を行うチャンス。

では、どう教えたらいいか。できれば実体験から学ばせたいところですが、今は感染症対策ゆえ、自宅でやりたいという方もいらっしゃるでしょう。
そこで節約アドバイザーの丸山晴美さんに、自宅で楽しくお金について学べるツールを5つ、教えてもらいました。

【その1】初めての「おこづかい帳」をつける

おこづかいを渡すようになったら、同時に始めたいのが、「おこづかい帳」。いわゆる、家計簿デビューです。いつ、いくら使って、あといくら残っているか。記録をつけることで、無駄遣いに気づいて軌道修正ができますし、「気づいたらお金がなくなっていた」という事態も防げます。
 ➡︎おこづかいのスタートについては、第3回『マネーリテラシーを養う「おこづかいのあげ方」5つのルール』を読む

おすすめのツールは、金融広報中央委員会の公式ウェブサイト「知るぽると」から無料でダウンロードできるおこづかい帳です。ウェブサイトのトップページから、「家庭・子ども」→「お金のしつけ」→「キッズぺージ」→「おこづかいきろく」の順に進むと、出力すればそのまま使える「こづかい帳」や、その使い方の説明が出てきます。このページを出力すると、冊子のようにまとめることができます。そこに、おこづかいをもらった日、それを使った日に、もらった金額、使った金額、今ある金額を、日付とともに記入していくのです。

お子さんがまだ文字が書けないという場合、「今日はおこづかいをもらったから書いてみようか」「こうやって書いていこうね」と、フォローしながら、パパママが一緒に書いてあげるといいでしょう。

【その2】「ほしい物ノート」を作って優先順位と値段を明確に

最近わが家では、小学6年生の息子に「ほしい物ノート」を書かせるようにしています。家にあるノートや裏紙を束ねたものを使って、ほしいものを価格とともに箇条書きで書いていくものです。

ほしい物って1個だけではないですよね。数ある中、優先順位を付けたうえで、どう貯めて、どう使うかを教える上で、「ほしい物ノート」は有効です。

未就学児であれば、「ほしいものがたくさんあるね。じゃあどれが一番ほしい?」と優先順位を聞き出しましょう。その答えを受けて、
「じゃあこれは1番目に買えるようにしようか。これは〇〇円だね。でも今はおこづかいが〇〇円しかない。いつ買えるかな~?」と、論理的にお話をしていくのです。

この教えは、非常に大切。やはり、その場の感情で流されて買ってしまうのは、大人でも「浪費」となってしまいます。本当に必要なものは何か、「浪費」と「消費」の違いを教えつつ、限られたお金の中でやりくりするために、子どもが理解できるようになったら、反応を見ながら教えていきたいですね。

【その3】楽しみながら貯金を“疑似体験”できる「塗り絵貯金」

ほしい物は優先順位をつけること。今買えないものは、貯めてから買うこと。そのためには、いかにして貯めていくかを教える必要があります。
でも、ただ単に貯めるよりは、楽しんで貯めていくほうが子どもは継続できますよね。

そこでおすすめなのが、「塗り絵貯金」や「塗り絵シート」。楽しみながら貯められる、いわば貯金を目的に作られた製品です。1から100までのマス目があり、貯金箱に入れた金額と同じ数字まで塗っていきます。これは貯金の仕方、つまりお金の管理方法を学べるのでおすすめです。書店などで売られていますが、自分で作ることもできます。

「貯めてから買う」の習慣をつければ、たとえばお金が足りなくなって借金してしまう人にはなりにくい。もし親御さん自身も貯金が苦手なら、子どもと一緒に塗り絵貯金を楽しんでみては。

【その4】「子供銀行券」を使ったお買い物ごっこ

次はお買い物の疑似体験をしてみましょう。「貯めて使う」の概念を学ぶ前でもOKです。「お買い物ごっこ」を通じてお買い物経験をするのは、マネーリテラシーを育てる絶好の機会なのです。

まず準備したいのは、いわゆる「子供銀行券」。子どもがお金の使い方を学ぶために製品化されたもので、本物そっくりのお札や硬貨です。それがなければ、「100円」などと紙に書いて一枚ずつ切り分けて、手作りするのもいいでしょう。

次に、お店の商品を用意。これは、おままごとのお野菜やミニカーなど、子どものおもちゃを。要は、家の中にあるもので、子どもが好きなものです。それに一つ一つ、値段をつけていきます。

準備ができたら、役決めです。親と子、どちらが店員さんで、どちらがお客さんになるか。まずは子どもに好きな方を選んでもらって、いよいよ「お買い物ごっこ」のスタート。最初に店員さんになったら、次はお客さんになるなど、両方の立場につくと、違う見方ができてより勉強になるでしょう。

【その5】経済の仕組みを学べるおすすめの絵本

お買い物ごっこと連携して行いたいのが、お金の勉強になる絵本の読み聞かせです。私が今、気にいっているのは、『新装版 レモンをお金にかえる法』(文:ルイズ・アームストロング/河出書房新社)。小さいお子さんには、ぜひ読み聞かせてあげたい一冊です。

この本は、ざっくりいうと、原材料として仕入れして買ったレモンや砂糖、水を、レモネードにして市場で売るまでの流れを、わかりやすく教えてくれます。一気に全部読もうとせず、できそうなところだけ読んでいただいて、「おうちでもレモネードを売ってみよう」と、お買い物ごっこに発展できるといいでしょう。

まず未就学児はおままごとの一環として「くださいな」「どうぞ」と売り買いするところからスタート。小学校低学年になれば、「モノを売るってこういうこと」「お金を稼ぐってこういうこと」に加えて、仕入れや加工、販売までの流通の概念を教えるなどして、ステップアップしていくことが理想です。

その際、実際にレモンを買って、レモネードを作ってみてもOK。レモンを売っているお店、砂糖を売っているお店を用意して、子どもがレモンやお砂糖を買ったら、レモネードに加工。お客さん(親)はお店(子ども)が決めた金額で購入します。そうして利益が出たら、「〇〇ちゃんに30円プラスになったね」と教えることができます。

さらに小学校高学年にもなれば、モノには有形無形があることも分かってくるでしょう。息子は最近、「お金を稼ぎたい」というようになりました。「どうやったら稼げるの?」と聞いてくるので、こう提案しています。

「アプリを作ってみては? 学校の授業でパソコン使ってプログラミングの勉強をしているよね? その知識を使って、アプリを作って儲けることができるよ」

自分の発想次第で、お金を生み出すことができる。そこまでいくと、マネー教育のエリートです。

レモネードの原材料の仕入れから店を構え、市場の価格や初期投資、労働側の不満による経営のつまずき等、経済学や起業について深く学べる『新装版 レモンをお金にかえる法』(文:ルイズ・アームストロング、絵:ビル・バッソ、訳:佐和隆光/河出書房新社)

こうしたツールを使って、子どものお金への興味をどんどん引き出し、マネーリテラシーの芽を伸ばしていきたいですね。大事なことは、「今なら分かるかな?」というタイミングを見逃さないこと。ファーストチャンスは、“子どもがお金に興味を持ったとき”です。
 ➡︎ファーストチャンスについてわかる第1回『子どもの「買って」に応えるとマネーリテラシーの芽を摘む』を読む


構成/桜田容子

寄稿家紹介

丸山晴美 まるやまはるみ

1974年、新潟県生まれ。東京でフリーターをしていた21歳のときに「家を買おう!」と思い立ち、会社員となり、頭金を貯め始める。それから5年後、コンビニエンスストアで店長をしていた26歳のときにマンションを購入。少ない収入で一人暮らしをしながら貯蓄してきた経験をいかし、2001年に節約アドバイザーになる。同年、ファイナンシャル・プランナー(AFP)に合格。その後もお金にまつわる心理を学ぶために認定心理士の資格を取るなど、日々お金周りの勉強を欠かさない。プライベートでは、2016年からシングルマザーに。著書は『節約家計ノート2021』(東京新聞)など節約や貯蓄、マネー全般に関するテーマが多数。近著は、『かんたん申請で「月5万円」もらえる! シングルママの「お金に困らない」本』(徳間書店)。2021年6月現在、オンラインコミュニティサロン「女性のための夢を叶える!お金の教室」(有料)を開催中。申し込み窓口 https://music-book.jp/salon/detail/65