0歳児が喜ぶおすすめの絵本はコレ! 大人気絵本ウェブサイト編集長が推薦

絵本の情報サイト「絵本ナビ」編集長の磯崎園子が『絵本と年齢をあれこれ考える』第1回「赤ちゃんは宇宙人!?」

絵本ナビ編集長:磯崎 園子

絵本と年齢をあれこれ考える「0歳児は宇宙人⁉︎」
絵本の情報サイト「絵本ナビ」編集長の磯崎園子さんが『絵本と年齢をあれこれ考える』エッセイです。

第1回目は0歳と絵本「赤ちゃんは宇宙人⁉︎」。

「赤ちゃんって、絵本を楽しむの?」

赤ちゃんは絵本を楽しむ?
この質問をするのは、赤ちゃんとの生活が始まったばかりのママやパパ。

それはそうです。だって、絵本どころか、赤ちゃんのことだってまだまだわからない。何もかもが初めてだらけの生活の中で、他にも知らなくてはいけないことが山積みになっている。

だいたい赤ちゃんには記憶が残らない。だから「あの頃読んだ絵本が面白かったなあ」なんて思い出話を聞かせてくれるわけでもない。我が子がどんな絵本に反応し、どんな絵本を喜ぶのか。とにかく試してみるしか方法はないのである。

ところが、誰もが元々絵本に興味があったわけではない。「赤ちゃんに絵本を!」と待ち構えていた人ならやすやすと越えていくその壁は、案外高い。

赤ちゃんは宇宙人!?

宇宙人!?
絵本に関わる取材をしていく中で、こんな話を聞いたことがある。まだまだ視力も弱く、未成熟な0歳の赤ちゃんの感覚は、大人とは全く違う。宇宙人と思ってもいいと。

宇宙人……そこまで違うのか。言われれば納得、なんだか安心してしまう。つまり、赤ちゃんを「大人の延長」として捉え、想像しようとするから、わからなくなってしまうのだ。
ぼんやりと目の前に広がる世界を見つめ、どこからか聞こえてくる不思議な音を聞き。あるいはよく知った声がしたかと思えば、その人が温かい手で抱き上げてくれる。

とんとんしてくれるリズムが気持ちいいなと見上げると、見覚えのある顔がこちらを見て笑っている。そんな時、目の前に突然現れるのが……絵本。きょとん、だよね。
ところが、そんな時の赤ちゃんは、どうやら私たちが思っている以上に刺激を欲しているらしいのだ。目の前に現れる色や形に驚き、音をしっかりと聞きわけ、感触に興味を持ち、手や口を使って確かめる。

つまり、誰よりも感覚的に絵本を味わっているのかもしれない。それなら、わかるような気がする。キラキラしている、しましまがある、つるつるだな、これめくれるの? まっさらな状態の赤ちゃんは、全身を使ってその刺激を吸収していく。

そして私たちは、あの瞬間を目撃するのだ。
笑顔の赤ちゃん

「笑った!」

絵本を見て目を動かしている、手をのばしている、反応している! もしかしたら、大人の必死な顔や声かけに笑っているだけなのかもしれないし、身の回りのものと区別はついていないのかもしれない。

けれどそれは、どっちだっていい。こんな出会いがあれば、絵本生活が無事にスタートできるはずなのである。
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