0歳児が喜ぶおすすめの絵本はコレ! 大人気絵本ウェブサイト編集長が推薦
絵本の情報サイト「絵本ナビ」編集長の磯崎園子が『絵本と年齢をあれこれ考える』第1回「赤ちゃんは宇宙人!?」
2022.04.14
絵本ナビ編集長:磯崎 園子
感覚を刺激してくれる絵本とは
まずは、音。特にねんねの頃の赤ちゃんは、体を大きく使って反応することがあまりないこともあり、ぼーっとしているようにも見える。
だけど、そんな時は絵本を読んでいる「声」をじっと聴いているのかもしれない。好きな音やリズムを感じ、身近な人の声を覚え、自分なりの心地よさを満喫していたりして。
その積み重ねが徐々に反応として表れてくるのだろう。
まず、赤ちゃんは蛇口なんて知らない。紙がビリビリ破れることだって知らない。踏切だってまだ見たことがないし、自分があーんあーんと泣くことだって理解しているわけもなく。
続けて聞くと、もっと愉快。
ああ、これは「音」の絵本なのだと心底思う。そして、隣にいる不思議な形をしているものが、どうやらその音を発しているらしい。
そうやって、絵と言葉が結びついていくのだろうか。
『もこ もこもこ』(谷川 俊太郎・作元永 定正・絵 文研出版)のような摩訶不思議な絵本と並び愛される理由が理解できる。
明快な色で描かれた、子どもたちの大好きな汽車がモチーフ。だから人気があるのだろうと思うけれど、絵本ナビでの主な読者層は0歳。
ある時、電車の音を聞きながら勝手に体を揺らす息子を見て、はっとする。
本能で電車が好き、というのもあるだろうが、やはり彼はこの絵本を「音の絵本」として体感していたのではないだろうか。「がたんごとん」と聞いて、体の奥に染みこんでいたリズムが蘇ったんじゃないか、と。
そして、色の刺激
白と黒だけなのに、形の変化だけで赤ちゃんを笑わせてしまうのが『はじめてのかたち FIRST LOOK』(駒形 克己・作 偕成社)。現代アートの様にも見えるこの絵本を、赤ちゃんはちゃんと感覚で受け取っているのだろう。