とまらない好奇心
公園に行けば、いつの間にか友だちになったノラネコと会話をしているし、握りのちょうどいい木の枝を拾ってきては、部屋の中に積み上げる。宝箱は石やネジでいっぱいだ。彼は小さな探究者と化している。
ただ眺めているのではなく
かこさとしさんの名作『からすのパンやさん』(偕成社)だ。子育てに追われ、経営の危機に直面したパン屋が家族一丸となって乗り切っていくその物語も感慨深いが、4歳の子どもたちが圧倒的に時間をとって眺めているのは、やはりこの場面だ。
じっと見ていたかと思えば、何かをぶつぶつ言っていたり、ページを行ったり来たりしていたり、シリーズの他の絵本まで引っぱり出してきて。何かを比べたり、確認したり、発見したりしている。どうやら、彼らはただ眺めているのではなく、絵本の中の世界を丹念に探索しているのだ。
さらに広く、さらに深く
『わゴムは どのくらい のびるかしら?』(マイク・サーラー・文 ジェリー・ジョイナー・絵 きしだ えりこ・訳 ほるぷ出版)。主人公の男の子が試しているのは、わゴムが一体どこまでのびるのかという実験。
部屋のベッドの枠にわゴムを引っ掛け、家の外へ。それだけでも驚きなのに、彼はそのまま自転車に乗り、バスに乗り、汽車に乗り、とうとう……!?