やってきました「イヤイヤ期」
慌ててまわりを見渡すと、遠くの方に小さく見える息子の背中。
一目散に駆け出していくその先には、一体何があるというのだ。頼むから待ってくれ。かと思えば、その場所から一歩も動こうとしない。地面に転がり泣き続ける。
気がつけば部屋がめちゃくちゃ、お風呂に入らない、お風呂から出ない、服を着ない、首を横にふり続ける……はい、やってきました「イヤイヤ期」。その後、どう対処したのか覚えてもいない。
いわゆる「魔の2歳児」の時期。
思い出そうとすると記憶にもやがかかってしまうのだ。よくがんばった、私。
ところが困ったことに、たまらなく可愛いのもこの時期。
小さな手でおやつを口に持っていく姿、うどんを上手にすすれたと満足げな微笑みを浮かべ、大好きなものを見れば全身を使って喜びを表現し、ぬいぐるみやブロックで「自分の王国」を作り上げてしまう。
そして、たとえどんなに泣き叫ばれても、見れば一瞬で心が昇華してしまう天使のような寝顔。
恐るべし2歳児、よくできている。心が追いつかない。
その姿に圧倒されながら
とまどう親をよそに、彼らは思うがままにどんどん行動を起こしていく。
あれがしたい、これもしたい。自分でやってみたい、思い通りにしてみたい。
そして、そんな彼らにとっての大事な意思表示の方法こそ、首を横にふることなのだ。
「いやだ」
「いやだいやだいやだー!」
何かを追求し続けている。まるで欲望の塊。
2歳って、やっぱりすごい。
……はて、そんな彼らとの絵本生活。一体全体、どう楽しめばいいのだろうか。