音楽クリエイター小杉保夫さん&濵田理恵さん&加藤千晶さんにスペシャルインタビュー
「いないいないばあっ!」25周年記念企画 音楽クリエイタースペシャルインタビュー!③
2022.02.23
みんなが大好きな「いないいないばあっ!」の歌を作る音楽クリエイターをご紹介!
たくさんのクリエイターさんの中から、7人の方への25周年スペシャルインタビュー!
今回は小杉保夫さん&濵田理恵さん&加藤千晶さん!
ー Question ー
①「いないいないばあっ!」の曲作りで特に意識していることはありますか?
②「いないいないばあっ!」の曲作りで楽しいこと、大変なことはありますか?
③大人向けの曲と小さい子向けの曲、作り方に違いはあるのでしょうか?
④読者のみなさんにメッセージをお願いいたします。
小杉保夫(こすぎ やすお)さん
♩ワンワンパラダイス ♩虫のおんがくたい ほか
みんなで一緒に歌えるように、おもしろい印象的なフレーズを入れます。♪ホンニャララポ!(「おそらのしたで」)、♪ルンル ルンル ルンバ ルンバ ふうせんは(「ふうせんはそらとともだち」)、♪ワンワンワンワン ワンワンワンワン パラダイス(「ワンワンパラダイス」)。そして、元気で明るいだけでなく、心にグッとくるメロディも少し入れるようにしています。
②「いないいないばあっ!」の曲作りで楽しいこと、大変なことはありますか?
「いないいないばあっ!」では30曲以上作曲してますが、その中で楽しくて大変だった曲は体操曲「ぐるぐるどっか~ん!」と「わ~お!」。それぞれ8年間放送していただいたのですが、いろんなジャンルのメロディを繫げて1曲にしました。それが大変でもあり楽しくもありました。
子ども向けの曲は詞を先に作り、音域は1オクターブ、メロディはシンプル。楽しみながらの作曲です。それに対して大人向けの曲の多くは曲が先、音域は広くてもいいし、メロディは複雑でもよい。ただ楽しみながらの作曲とは限りません。サウンドの違いはないですが、やはり最大の違いは楽しんで作曲できるかどうかかもしれません。
④読者のみなさんにメッセージをお願いいたします。
CMやアニメにも携わっているのでつねに新しい音楽やサウンドを探しています。その新しいエッセンスを加えて、現代的な楽曲になればいいなと思ってます。これからも楽しい曲、ステキな曲を作り続けていきますので、待っててねー!!
濱田理恵(はまだ りえ)さん
♩いないいないトマトちゃん ♩きらりらきらりん ほか
曲作りを始めると楽しくなってきて、自分でも無意識に歌いだしていることがあります。理屈を超えた「楽しさ」、その楽しさの中で自分をのびのびと遊ばせてあげるような感覚で作ります。わかりやすくシンプルに、リコーダーなどでも演奏可能な範囲のキーで作る、メロディは言葉のイントネーションになるべく沿ったものにする、などの点も心がけています。
②「いないいないばあっ!」の曲作りで楽しいこと、大変なことはありますか?
私は歌手でもあるので、作った曲の仮歌を大抵自分で歌います。仮歌はディレクターさんや出演者さんに最初に曲を知っていただくためだけのもの。しかし曲の質感を左右することもあり、かなり丁寧に歌入れをしています。この歌入れ作業が非常に興味深く、何度も歌っているうちに幼い頃の身体感覚が蘇るような瞬間があります。そして歌入れが終わると、楽しいながらもものすごく疲労しています。この疲労が大変といえば大変でしょうか(笑)。
小さなお子さん向けの曲作りのときは、自分自身が「光」そのものになったような感覚で作ることが多いです。そして、大人の方に向けて作るときは、そんな「光」を見つめているような感覚。光を見つめる自分自身を感じながら作る、という感覚でしょうか。どちらも私の中で無意識になされるので、あまり意識はしていません。
④読者のみなさんにメッセージをお願いいたします。
小さなお子さんをお持ちの親御さんは、お子さんのハートに同調しながら、いつしかご自身の子ども時代のハートを取り戻され、特別な期間を過ごされることと思います。成長した大人のハートと幼い自分のハート、両方にたくさん栄養をあげてください。私たちの作る音楽がそのお手伝いをできましたら、本当に嬉しく思います。
加藤千晶さん
♩トイレでスー♩さぁ あるこ ほか
相手が小さなお子さんだから、という先入観を持たないようにしています。曲では本物の楽器の音や、楽器以外のこの世界にあるいろいろなものの音などを楽しく聴いてほしいです。詞に関しては、わかりやすい言葉で伝えることを大切にしつつ、大人側からの感覚で測らないようにしています。
②「いないいないばあっ!」の曲作りで楽しいこと、大変なことはありますか?
たとえばスタジオのBGMなどに自分の大好きなルーツミュージックの要素を入れてみたり、詞では実際には存在しないオノマトペを作ってみたり、小さな子はもちろん大人が聴いても楽しめるようなサウンドに作り込んだりする楽しみがあります。いただいたテーマを掘り下げてみるたびに発見があるので、大変だと思ったことはほとんどありません。その中で特殊なものは「えかきうた」シリーズで、作詞・作曲の前にまず「絵」を考え、そこから解体するパーツや描いていく順番を考える、という下準備が大変といえば大変でしょうか。下手な自作のらくがきが部屋中にひろがってしまいます。
細かい具体的な部分で気をつけていることはありますが、意識の中では特に区別はしていません。小さい子もそばで聴いている大人も同じように持っている「ある部分」があって、一緒に曲を聴いたり歌ったりすることで、それをより大きく共有できる瞬間があると信じています。同時に、同じ曲でも子どもと大人では興味を持つ部分が違ったり、小さい頃に聴いていた曲を大人になって改めて聴いたら「あれ、こんな演奏だったのか!」などと思ってもらえたりすることもあるかもしれません。そういうことも含めて小さい子にも大人にも、どんなふうに聴いてもらってもOK、と思いながら作っています。
④読者のみなさんにメッセージをお願いいたします。
いつも番組をご覧くださりありがとうございます。番組が始まって25年、たくさんのお子さんや親御さんが歌を聴き、泣いたり笑ったりしてくださっているのだと思うと、作り手としてこの上ない貴重な経験をさせていただいていると感じます。すべてのみなさまがこの先も幸せな毎日を紡いでいかれますように! そしてその人生の凸凹の中でフと、曲の一節を思い出したり鼻歌を歌ったりしていただけるように、私も初心を忘れず音楽を作り続けたいと思っています。
※この記事は「いない いない ばあっ!」2021年春秋号を再構成したものです。
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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