鳥の全身をおおう「羽毛」のスゴすぎる能力とは! 驚きの羽毛活用術を紹介!

MOVE「鳥 新訂版」より鳥類学者・川上和人先生のミニ講義! その2

鳥類学者:川上 和人

鳥の全身をおおう「羽毛」のひみつとは?

キバタン
©GettyImages

鳥の羽毛はなんのためにあるの?

ふわふわと軽い鳥の羽毛。現在、地球上にいる動物で、体に羽毛が生えているのは鳥だけ。鳥が飛べるようになったのも羽毛が生えたから。

また、ものすごく寒い北極や南極でくらしたり、つめたい海にもぐっても平気なのも羽毛があるおかげ。いろいろなはたらきがある鳥の羽毛のひみつを紹介しよう。
MOVE「鳥 新訂版」より
体の表面をおおっている羽毛の大部分が正羽(せいう)です。正羽は、1本の羽軸の両側に、羽弁とよばれる部分があります。正羽には、翼の風切り羽や尾羽、体の表面をおおう体羽などがあり、風切り羽や尾羽は、飛ぶときに役立ち、体羽は、体の表面をなめらかにして空気抵抗を減らす役割や、水がしみこまないようにするはたらきがあります。

「翼」には驚きの仕組みがいっぱい!

ツミの翼
鳥にとって、羽毛を使ったとても大事な部位は翼です。翼はとっても軽く、そのほとんどが羽毛でできています。羽毛は1枚の大きな布のようになっているわけではなく、バラバラの羽毛が1本1本重なってできています。そのおかげでとてもコンパクトに閉じられるし、広げるととても大きく開くことができるのです。

また、一年に1回以上生え替わり(換羽)、常に新しくて綺麗な羽毛ができるとっても優れもの。

Dr.カワカミのミニ講義② 「羽毛のひみつ」でさらに深掘り!

【図鑑MOVEミニ講座②】鳥の羽毛について鳥類学者・川上和人先生が解説!

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かわかみ かずと

川上 和人

Kazuto Kawakami
鳥類学者

1973年生まれ。森林総合研究所鳥獣生態研究室長。東京大学農学部林学科卒、同大学院農学生命科学研究科中退。農学博士。著書に、『鳥類学者...

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