自然界における鳥の役割は絶大! 生物多様性に欠かせない鳥の功績とは?

MOVE「鳥 新訂版」より鳥類学者・川上和人先生のミニ講義! その5

鳥類学者:川上 和人

鳥は自然界では欠かせない存在! 生態系の中の鳥の役割を深掘り!

種子を頭につけたオナガ Ⓒ柴田佳秀
鳥は自然のなかでいろいろなものを食べています。タカやサギは、ネズミや鳥、魚、カエルなどを食べ、小鳥は昆虫や種子、果実などを食べます。反対に鳥は、ワシやイタチ、ネズミ、ヘビ、ときには昆虫など、いろいろな動物に食べられてしまいます。

このように生きものはみんな、食べる・食べられるの関係にあって、生態系のバランスが保たれています。もし、小鳥がいなくなると、植物を食べる昆虫が増えてしまい、植物が減ってしまうかもしれません。
MOVE「鳥 新訂版」より

実際に鳥はどんなことをしているの?

鳥は……果実を食べて「種子散布」をする!
鳥がふんをすることで、植物の種子を遠くに運べる。ときにはその距離が数百kmを超えることも! これによって植物の分布を広げることができる。

鳥は……「羽毛」に種子をくっつけて運ぶ!
オナモミなどが、人間の洋服にくっつくように種子を羽毛につけて運ぶ。

鳥は……小さな生きものをタクシーのように運ぶ!
食べた花の中に縮こまっていたカタツムリなどが、生きたままふんの中に。生きたカタツムリをタクシーのように運ぶことも。

鳥は……生態系エンジニア!

生態系の中にもともと存在しない生息地を作る役割も。例えば、キツツキは木の幹に巣あなをあけますが、その後、この穴をシジュウカラなどの他の鳥や、コウモリの仲間やリス、ハチまでもがすみかとして利用します。つまり、他の生きものにとっての新たな生息地をつくりだし、提供しているのです。

鳥は……他の生物に恐怖を与えることができる!
例えばタカがいることで、食べられる側の生きものは逃げなければいけない。というように、捕食者は食べられる側の行動のコントロールができるのです。行動の進化に対して捕食者が与える恐怖はとても重要な役割を果たしています。

Dr.カワカミのミニ講義⑤「生態系のなかの鳥」について解説します!

【図鑑MOVEミニ講義⑤】「生態系のなかの鳥」について鳥類学者・川上和人先生が解説!

Dr.カワカミの深掘りミニ講義、ほかの記事もチェック!

かわかみ かずと

川上 和人

Kazuto Kawakami
鳥類学者

1973年生まれ。森林総合研究所鳥獣生態研究室長。東京大学農学部林学科卒、同大学院農学生命科学研究科中退。農学博士。著書に、『鳥類学者...