8月10日 ウルトラマンコスモス 思い出を求める老人がグラルファンを呼び寄せる

今日は何の日? 「ウルトラ怪獣日和」8月10日(2002年)

テレビマガジン編集部

『ウルトラQ』『ウルトラマン』の放送が開始され、ウルトラ怪獣が登場した1966年以来、半世紀以上にわたって脈々と続くウルトラマンシリーズ。作品ごとに子どもたちは、現実とフィクションとを一体に感じ、日々、ウルトラヒーローや怪獣たちに夢中になっていた。

あの日、あの時、胸躍らせて目撃したのは何だったのか? 今回取り上げるのは「8月10日」(2002年)。
グラルファンとウルトラマンコスモス  ©円谷プロ PHOTO/講談社
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2001年7月7日より放送が開始された『ウルトラマンコスモス』。心優しき青年・春野ムサシは、怪獣をむやみに殺さず保護するという目標を掲げるチームEYES(アイズ)に入隊。ムサシは子どものころに出会ったウルトラマンコスモスと再会し、一心同体となって怪獣と人間の共存という理想のために戦う。

打ち込んでいた陸上の地区大会に敗退し、目標を失っていた中学3年生の暁(あきら)少年。彼はある日、扉の絵が描かれたカードの向こうの世界からやってくるという、怪獣・グラルファンを呼び寄せようとするトマノ老人と出会う。
「ウルトラ怪獣日和」、今日は何の日?

トマノと出会った暁少年

2002年8月10日は『ウルトラマンコスモス』第57話「雪の扉」が放送された日です。陸上の地区大会に敗退した暁。中学での陸上は終わり、友人たちは高校受験のため塾に通いだすが、暁は目標を失いつつも、日々のランニングを続けていた。ある日、暁は公園で奇妙なカードにレコードの音楽を聴かせている老人と出会う。

トマノという老人は、カードに描かれた扉の向こうの世界にいるグラルファンに、自分の思い出の曲を聴かせているのだという。老人のもとからすぐに去ろうとする暁だったが、レコードプレーヤーを倒してしまい、元どおりに直しているうちにトマノと打ち解ける。そして、いつしか自分のことをトマノに話していた。地区大会で最高のコンディションだった暁だったが、決勝では僅差で負けてしまい、全国大会に出場することが目標だった彼の夏はあっさり終わってしまったのだ。

グラルファンは音楽が好きで、この曲が気に入ればカードの扉からやってくるのだという。また、グラルファンは寒いところに住んでいるらしく、実際に現れると真夏のこの街は冬になるらしい。グラルファンとは、人の心の奥にある大切な思い出を、目の前に蘇らせる力を持つ。そして、本当に思い出の風景の中にいくことができるというのだ。トマノの話を本気にしていなかった暁。しかし3日後、如月町だけが真冬のように寒くなり、雪が降りはじめる。

異常気象の調査にやってきたチームEYESのモリモト アヤノ隊員に声をかけられた暁は、自分が何かを知っているのではないかと疑うアヤノをごまかしてその場を去ると、トマノと再会。すると、彼が持っていたカードの扉の絵が、少し開いているのを見せられる。もうすぐ、グラルファンがやってくる。グラルファンがこちらの世界にいるほんの少しの間、こちらの世界の時間が停止するらしい。なぜ、そんなに思い出の世界にいきたいのかと暁が尋ねると、トマノは身の上話をはじめた。
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