あの日、あの時、胸躍らせて目撃したのは何だったのか? 今回取り上げるのは「5月10日」(1974年)。
母親を亡くし、父親、妹のカオルとともに暮らしていた梅田トオル少年。しかし、父親がツルク星人に殺害されてしまった。ツルク星人はレオによって倒されたが、両親を亡くしたトオルは、自暴自棄になってしまう。そこに、新たに怪獣・カネドラスが現れた。
両親を亡くしたトオル
ゲンはトオルの父親代わりになろうとし、声をかける。ゲンの言葉に笑顔が戻るトオルだったが、ゲンのマックシーバーに通信が入った。怪獣が出現し、暴れているらしい。ゲンは、城南スポーツクラブの大村正司や山口百子にトオルを任せ、MACの任務に戻ろうとする。しかし、それによってトオルは再び、不機嫌になってしまうのだった。
一方、街では怪獣・カネドラスとMACの戦いが展開されていた。しかしMACは、まるでウルトラセブンのアイスラッガーのように、頭部から着脱可能なカネドラスのブーメラン・ドラスカッターに苦戦。カネドラスは姿を消してしまう。一方、MACステーションに戻ったゲンだったが、戦いに間に合わなかった。ダンに到着が遅れた理由を話したところ、「何百人ものトオルができたかもしれない」と𠮟責を受けたのだった。
その夜から、ゲンはダンの依頼で大村が作った機械を相手に、特訓を開始した。翌日、スポーツクラブ内で訓練を続けていると、同じフロアで子どもたちの練習も始まった。跳び箱を飛ぶトオルに目をやるゲンだったが、トオルはあまりやる気はないようだ。そして、トオルはそれを見透かされ、指導員の猛に飛べるようになるまで続けるよう言われる。それを見たゲンは、ひとりの少年の心を救うこともできない自分の無力さを、痛感したのだった。