3児のママ・安倍なつみ「子育て哲学」理想は「自分で選択できる子」「守られすぎ」をやめて「自分で1回考えさせて」変わったこと
映画『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』リバティ役 女優・安倍なつみさんインタビュー 後編
2023.12.27
ライター:小川 聖子
「Ane♡ひめ.net」インタビュー後編では、3児の子育てに奮闘する安倍さんの「子育て」について聞きました。
人生は自分で切り開くもの 最後は「自分で選択できる子」に
安倍さん:いえいえいえ、どうでしょうか(笑)。ただ、長男のときは一対一で、まだ少しゆとりがあった子育ても、今は子どもが3人なので……正直、「目が届かない、手がまわらない」ことも出てきています。
──どう考えても大変ですよね。日々気をつけていることなどはありますか。
安倍さん:忙しくはあるのですが、子どもたちの個性はそれぞれ全然違うので、なるべくその芽をつぶさないで、伸ばしてあげられるような対応ができればなと思っています。
話しかけられたときのリアクションや声がけひとつとっても、忙しいとつい自分の感情を優先して、勢いで言ってしまうこともあるのですが、最近は一度落ち着いて、伝え方を考えてから言うようにしています。
──「こんな子になってほしい」というイメージはありますか。
安倍さん:個性を伸ばすと同時に、最終的には「自分で選択できる子」になってほしいですね。人生はやっぱり自分で切り開いていくものだと思っているので、自分の価値基準で判断したり、自分の選択に自信や責任を持てるようになるのが大切なことだなって。
そのためにはできるだけ多くの経験をさせて、いろいろな景色を見せて、考える機会を与えてあげられたらと思っています。その先で、たくさんの人に出会って、触れ合って、自分で学べるようになってくれたらそれが一番いいなと思っています。
「守られすぎ」も違うかも? 失敗から学べることもあるはず
安倍さん:ありがとうございます。ただ、そうなるためには、親があまり先回りして危険を排除するのも違うかも、と思っていて。ときにはちょっと失敗したり、痛い思いをすることで、自分で気がつけることもあるんじゃないかな、と思っています。
それもあってうちでは、「そんなことしていると危ないよ、あ、ほらやった!」みたいなことがよくあるんです(笑)。転んで痛かったり、どこかから落ちたり……。そんなときは、「痛いよね、どうすればよかったかな」って、自分で考えさせるようにしています。
本当の危険はもちろん遠ざけるようにしていますが、ある程度は自分で体験して、気づきを得てほしいなと思っています。
3人も子どもがいて大変だからこそ、それぞれがしっかりして、自立していってくれたらという思いもあります(笑)。
すぐに答えを教えず、自分でも考えさせるようにしています
安倍さん:「1回自分で考えさせる」ってことでしょうか。今なら質問されれば親もすぐに答えられますし、インターネットでも調べられますが、まずは自分で考えてみることが大切な気がしています。
答えが何通りもあることもありますし、ただ受け身で「これが答えか」って思ってほしくなくて。だからうちでは、何か聞かれたときは、「1回自分でも考えてみて」っていうようにしています。
それで思い出したんですけど、この間子どもたちとピクニックに行って。「お弁当を食べよう」という時間になってお弁当を広げたら、お箸がなかったんです。私が入れ忘れたんですけど(笑)。
それで「ママー!」ってなるんですけど、「『ママー!』じゃなくて、さぁ、どうしたらいいか一緒に考えよう!」って。
その流れで、「昔の人はどうやってたんだろう?」とか、「ご飯を手で食べる国もあるんだよ」なんて話ができたので、それはそれでよかったかなって。
──サバイバル能力も高まりますね!
安倍さん:ね(笑)! 「お箸じゃなきゃ食べられない」なんてこともないですから。生きていればいろいろなことが起こるし、ハプニングがあったり、失敗しちゃったりすることもありますよね。
そこでどう切り替えられるか、明るいほうへ進ませられるかって本人次第だなって。それは私自身にも言えることなので、「あ、試されてるな」という瞬間を感じながら、その都度頑張っていきたいと思っています。
PROFILE
安倍なつみさん
1981年生まれ。北海道出身。1998年『モーニング娘。』としてデビュー。2003年よりソロとして活動、音楽活動、舞台、ミュージカル、テレビ、ラジオと幅広く活躍。2015年12月結婚。現在は3児の母として子育て中。
大都市アドベンチャーシティで、ライバール市長とマッドサイエンティストのヴィクトリアが手を組んだ。パウ・パトロールたちは彼らの悪だくみをパウッと解決できるのか!?
配給:東和ピクチャーズ
撮影/映美 スタイリング/栗野多美子 ヘア&メイク/朝岡美妃
小川 聖子
東京都出身。アパレル系企業に勤務したのちライターに。雑誌やWeb系メディアにてファッション関連記事や人物インタビュー、読み物記事の構成や執筆を行う。長男はついに成人、次男は中学生に。1日の終わりに飲むハイボールが毎日の楽しみ。
東京都出身。アパレル系企業に勤務したのちライターに。雑誌やWeb系メディアにてファッション関連記事や人物インタビュー、読み物記事の構成や執筆を行う。長男はついに成人、次男は中学生に。1日の終わりに飲むハイボールが毎日の楽しみ。