「ガザの惨状を前に、書かずにはいられなかった」あさのあつこが三浦しをんに明かす『NO.6』続編の舞台裏

『NO.6 再会#3』刊行記念 スペシャル対談 後編

ライター:山口 真央

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あさのあつこさんが描くディストピア小説の待望の続編「NO.6 再会」シリーズ。『NO.6 再会#3』の刊行を記念して、スペシャル対談が実現しました。お相手は植物研究から辞書編纂、駅伝まで、多彩なテーマを鮮やかに描き出す多才な作家・三浦しをんさん。

お二人が公式に対談するのは『あさのあつこ完全読本』(KAWADE夢ムック)の対談企画以来、実に20年ぶりのこと。時を経て再び相まみえたお二人が、物語の持つ力や創作の舞台裏を語り合います。

後編では20年の歳月がもたらした作家としての変化や、あさのさんの意外な「養蜂」生活の話題まで、プライベートなエピソードが満載! さらに混迷する現代社会において「なぜ今、物語が必要なのか」という切実なテーマに迫ります。

▼▼以下のインタビューは『NO.6[ナンバーシックス]再会#3』に書かれているシーンを紹介しているため、ネタバレを含みます。ネタバレを避けたい方は、『NO.6[ナンバーシックス]再会#3』をお読みになってからご覧ください。▼▼

三浦「いまも昔も読者の感想が何より嬉しい」

三浦 以前の対談から20年経ちましたが、以前から変わったことはありますか。

あさの 時代小説を書きはじめたことかしら。色気のある大人の男性を書きたいと思って挑戦したんですよ。江戸時代のことが少し詳しくなりました。しをんさんはいかがですか。

三浦 私の変化といえば、以前は女性を主人公にするとどうしても暗い話になってしまって、男性が主人公の話をたくさん書いていましたが、最近は女性主人公の話ももっと書こうかなと思えるようになりました。

あさの それはすごいですね。私はいまだに女性を描くと、どこか軋む感じがしてしまうんです。しをんさんご自身に変化があったのですか。

三浦 若いときは辛い扱いに直面することが多かったから、それを書かずにはいられなかったんです。でも年をとって、私自身のあり方が変わってきたのかな。友達と愉快に過ごしている日々を書くことで、若い人たちに希望を提示できるかもしれないと思いはじめたんです。

あさの なるほど、それは嬉しい変化ですね。

三浦 つらい変化もありますけどね。集中力がどんどんなくなったりとか(笑)。

あさの それを私の前で言わないでください(笑)。

三浦 いまも昔も変わらないことは、読者からの感想が嬉しいことです。お手紙を送っていただいたり、イベントで声をかけてもらうことがやっぱり一番の喜びです。

あさの わかります! 読者から感想をいただけることが何よりのエネルギーになりますね。しをんさんは毎日どんなスケジュールで執筆されていますか。

三浦 ルーティンが全然なくて。起きたいときに起きて、書きたいときに書いています。早寝早起きを試したことがあるんですけど、1週間ぐらいで風邪をひきました(笑)。あさのさんはどうされていますか。

あさの 規則正しい生活は、しをんさんの体に合わないのですね。うちは犬を飼っているので、朝6時半には起こされます。ここ数年は養蜂をしているので、早く起きるのが染みついていますね。

三浦 養蜂!? お家でハチミツをつくっているのですか。

あさの そうなんです。もともと捕食する虫が好きで、いつか蜂を飼ってみたいという憧れがあって。そしたら主人が蜂の巣箱をつくって、山から日本ミツバチを連れてきました(笑)。

三浦 旦那様、すごい(笑)。

あさの 歯医者をやっていたので、手先が器用なんですよ。いまは2つの巣箱を管理しています。

三浦 とっても興味があります。ぜひ今度、取材に行かせてください!

「NO.6」シリーズには寄生蜂が重要なキーワードとして登場します。(撮影/安田光優)

あさのあつこが生き抜くために必要だと考える「力」の正体とは

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