雨のおうち時間が充実! 子どもにプレゼントにしたい「雨の絵本」3選[絵本専門店の書店員が選出]

子どもの本のプロが選ぶギフト絵本 #19~雨の日が楽しくなる絵本~ (2/4) 1ページ目に戻る

傘に導かれるファンタジーの世界

「雨で外に遊びに行けない……」と退屈そうにしている子どもを見て、困った経験はありませんか? 体力を持て余す子どもと家でどう過ごすか、雨が続く時期は親にとっても悩ましいもの。

でも、そんなときこそ絵本の出番! 太陽を待ちわびながら、雨の日を楽しく過ごせるような3冊を選んでみました。

最初にご紹介するのは、『ふしぎなかさやさん』(講談社)。作者はファンタジーの名手、絵本作家のたなか鮎子さんです。

たなかさんの作品は、唯一無二の洗練された世界観が魅力。かわいらしいだけでない、どこか謎めいた不思議な空気感が、絵本の中いっぱいに広がっています。

『ふしぎなかさやさん』(作:たなか鮎子/講談社)
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ある日、主人公のレミが遊びに出かけようとすると、雨が降り出しました。急に強くなる雨。傘を持たずに家を飛び出したレミは、大声で言いました。

「もう! あめなんて、だいきらいだ」

すると、お店の奥から声が聞こえてきます。

「あめ、おきらいですか?」
「それなら、かさを おひとつ いかがです?」

レミがお店の中に入ると、そこは色とりどりの傘が並んだ傘屋さん。不思議な声の主は、なんと1匹の黒ネコでした。驚くレミに、ネコは鮮やかな緑色の傘を差し出します。

「こちらの しんさくは いかがですか? きっと あめが すきに なりますよ」

言われるがままにその傘を開くと、レミは、緑のしずくが飛び散る、深い森の中に入り込んでいたのです。

傘に導かれるようにして始まるレミの大冒険。現実から異世界に入り込んでいく展開が見事で、どのページも躍動感があり、その美しさに目を奪われます。

この作品の絵を色で例えるなら、レインボーカラー。カラフルなのに、しっとりと落ち着いた色使いで、銅版画家でもあるたなかさんならではの表現が魅力です。

ミュージカルや映画にもなった児童文学の傑作『メアリー・ポピンズ』にも傘が登場しますが、傘にはどこか“魔法”につながるイメージがありますよね。雨の日に「こんなことが起きたらいいな」と、想像をふくらませながら読んでいただきたい一冊です。

*読み聞かせ 3さいくらいから
*ひとり読み 5・6さいくらいから

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