たった3文字から2000字へ! 斉藤洋が伝授する「原稿用紙5枚」書くための文章術

『人生がちょっとよくなる文章術』 (2/2) 1ページ目に戻る

児童文学作家:斉藤 洋

○○なスマホ……○○なひきだし……

そこで、長く書くにはどうすればいいかという問題ですが、もうおわかりになったかと思います。〈スマホ〉というカタカナ三文字が、

〈わたしの古いスマホが机の上にある。机はスチール製で、ひきだしがない。〉

と、句読点を入れて、三十四文字に増えました。なんと十倍以上です。いや、十倍くらいで満足していてはいけないのです。もうちょっと長くできませんか。そこで、何文字でもいいから、増やしてみましょう。

〈わたしの古いスマホが机の上にあるのだが、その机はスチール製で、ひきだしがないのだ。〉

これで七文字増えました。

ここで、机にひきだしがないことで話を進めてみましょう。ひきだしがないからどうだ、という問題です。

ひきだしがないと、その分、脚を入れる空間が広がって、膝がぶつかりにくいという長所と、物入れがないので不便だという短所があります。それを書きましょう。

絵:大野文彰

〈ひきだしがないので、その分広くて、膝が楽なのだが、書類などを入れる場所がなくて、こまることがある。〉

と、こういうのをつけたしましょう。すると、こうなります。

〈わたしの古いスマホが机の上にあるのだが、その机はスチール製で、ひきだしがないのだ。ひきだしがないので、その分広くて、膝が楽なのだが、書類などを入れる場所がなくて、こまることがある。〉

それでは、どういうときにこまるのかといえば、人に見せたくない手紙を読んでいるときに、だれか人が来て、とっさにその手紙の隠し場所がなくて……、とか、そういうことを書けば、文字数は増えます。

それで、今度はその手紙について書いていくと、文字数はどんどん増えて、二千字くらい、あっというまです。ついでにいっておくと、スチール製にこだわって、そこを説明すれば、また文字数が増えます。

これで、書くことはあるし、原稿用紙五枚という目標は達成されるでしょう。

『人生がちょっとよくなる文章術』

100万部突破した名作児童文学「ルドルフとイッパイアッテナ」シリーズ、200万部を突破した「おばけずかん」シリーズなど、35年以上にわたり、児童書の第一線で活躍し続ける児童文学作家・斉藤洋(さいとう・ひろし)先生が初めて明かす「文章の書き方」の極意がつまった一冊が発売中です。

本記事でご紹介した「どんな人でも原稿用紙5枚分の文章がかける方法」から「文章を書くことが楽しくなる方法」や「物語の書き方」など、文章を気楽に楽しめるようになるヒントが盛りだくさん。ぜひ、お手に取ってご覧ください!

人生がちょっとよくなる文章術

人生がちょっとよくなる文章術

斉藤 洋(著)

発売日:2026/01/29

価格:定価:本体1600円(税別)

同じく児童文学作家・斉藤洋(さいとう・ひろし)先生の本を面白く読む思考法がつまった『人生がちょっとよくなる読書術』も発売中!

人生がちょっとよくなる読書術

人生がちょっとよくなる読書術

斉藤 洋(著)

発売日:2026/01/29

価格:定価:本体1600円(税別)

前へ

2/2

次へ

42 件
斉藤 洋
さいとう ひろし

斉藤 洋

作家

東京都生まれ。幼年童話に「ペンギン」シリーズ、「おばけずかん」シリーズ、児童文学に「ルドルフとイッパイアッテナ」シリーズなど多数。

東京都生まれ。幼年童話に「ペンギン」シリーズ、「おばけずかん」シリーズ、児童文学に「ルドルフとイッパイアッテナ」シリーズなど多数。