人気1位の川崎“夢パーク” 挑戦する子どもが育ち 地域にも支持される理由

シリーズ「地域をつなぐ みんなで育つ」#2‐1 どろんこプレーパーク「川崎市子ども夢パーク」(神奈川県川崎市)

ライター:太田 美由紀

どうすればできるかを考え とにかくやってみる

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コロナウィルスの影響で全国的に2~3ヵ月の長期休校となった2020年の春。夢パークの運営を担う認定NPO法人フリースペースたまりば理事長の西野博之(にしの・ひろゆき)さんは、この夢パークを開所し続けることを決断しました。

「ここは閉めちゃいけない。子どもや若者の居場所は、最後の砦(とりで)として開け続けなければ」

そのころ、街の公園の遊具までもが使用禁止となり、子どもたちは遊ぶ場所を失っていました。そんなときにも、夢パークでは入り口に手洗い場を作り、消毒や検温を徹底し、三密になる遊びを控えるように子どもたちに伝えて開所を続けました。

「ダメなものはダメ」「とにかく禁止」などと伝えるのではなく、それぞれの遊びについてなぜダメなのかという理由を子どもたちにわかるようにていねいに伝えました。

すると、子どもたちの中から、「どうすれば感染を防ぎながら楽しく遊べるか」の試行錯誤が始まりました。大人の力を借りずに自分たちで遊びを考えチャレンジしてきた子どもたちは、どんな状況でも遊びを生み出そうとあきらめません。

失敗も、うまくいかないことも日常茶飯事。「こんな状況でも楽しく遊べる方法があるはずだ!」と動き出す子どもたちがいました。

土は数年に一度、近隣の工事現場などからいただき大量に補充され、山ができる。ひたすら穴を掘って遊ぶこどもたち。  写真提供:西野博之さん

西野さんは、当時を思い返します。

「人気のボール遊びは密になるから、ボールの貸し出しはちょっと難しいねと説明すると、子どもたちは、新聞紙でボールを作りはじめました。そして、両手を横に広げてぶつからないように走り、誰かがボールを足でキープしている間はみんなが動きを止める『だるまさんが転んだサッカー』を編み出した。

これがね、密にならないし、結構おもしろい。長い枝の先に紙で作ったかわいいピンクの花をつけて、『ハナれて棒』を提案してくれた子もいました。

コロナ禍で世の中が止まったとき、ハッキリとわかりました。世の中の大人たちの多くは、少しでも不安なことはすぐに禁止にしてしまう。でも夢パークの子どもたちは、どうすればできるかを考えて、とにかくやってみる。子どもたちにその大切さを教えられました」

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