子どもの脳の発達は3段階 早期教育や幼少期の習い事より大切な「からだの脳」の育て方を脳科学者が解説

子どもが健やかに育つための「脳育て」のノウハウを発達脳科学者が解説

おりこうさんの脳の育て方

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土台となる1階「からだの脳」が育ったら、2階部分「おりこうさんの脳」をはじめてのせることができます。

1階ができていないうちから2階をのせ、家具をつめこむ。つまり、幼少期から早期教育や習い事、スポーツなどを習わせようとしても、無理なのは当然です。その結果、「発達障害」のような症状が現れることがあります。

小学校低学年くらいまでは親の言うことを聞き、習い事や学習塾に通って優秀だった子どもが、思春期になると、不安障害などのこころの病気になることも少なくありません。子ども本人が「やりたい」ということを止める必要はないにしても、バランスを欠いていないか、見直してみましょう。

〈Photo by iStock〉
〈『子どもが「発達障害」と疑われたときに読む本』より〉

上の図にもあるように「おりこうさんの脳」は、1歳からおよそ18歳ごろまで、ゆっくり育ちます。その間に重要なのは「睡眠」と「学習」です。

多くの親は知識や情報をつめこみ、お勉強ができるようになることをめざしますが、「学習」とは、勉強だけではありません。しっかり脳を育てるには、勉強の点数を気にしないことです。点数よりも意欲や努力をほめたり励ましたりして、興味や視野を広げるように促します。お勉強で育っていく脳ですが、それだけでは不十分です。勉強以外のさまざまな知識や情報が脳に入るようにいろいろな体験をさせましょう。

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