子どもの脳の発達は3段階 早期教育や幼少期の習い事より大切な「からだの脳」の育て方を脳科学者が解説

子どもが健やかに育つための「脳育て」のノウハウを発達脳科学者が解説

こころの脳の育て方

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「からだの脳」と「おりこうさんの脳」がしっかり育っていると、その上に「こころの脳」を育てることができます。こころの脳は、からだの脳とおりこうさんの脳に知識や経験が蓄積され、それを前頭葉で統合するかたちで、10歳ごろから育ちはじめます。

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からだの脳と前頭葉をつなぐ神経回路もこころの脳で、10歳以降につながりはじめます。神経回路のひとつにモノアミン神経回路があり、精神の安定や論理的思考などを担っています。感情のコントロール(不適切な喜怒哀楽をそのまま出さないようにコントロールする)、論理的思考(知識や情報が前頭葉で整理・統合され、考えることができる)、コミュニケーション(相手のことを考えながらコミュニケーションがとれる)、想像力(人の気持ちや自分がおかれている状況をイメージして適切に行動する)ことができるようになるのは、「こころの脳」が育つ段階になります。

こころの脳を育てるには、子どもへよいかかわり方をしていくことが大切です。下記のようなかかわり方をして、前頭葉を鍛えることも意識しましょう。

〈『子どもが「発達障害」と疑われたときに読む本』より〉

・生活リズム
こころの脳をしっかり育てるにも、最優先は生活リズムが整っていること。「早寝早起き朝ごはん」を心がけましょう。

・不安をなくす
からだの脳ができていないうちに勉強で大きな負担をかけると、ストレスから不安に陥ってしまうことがあります。ようすをみて、負担を軽減し、安心させるよう働きかけることも大切です。

・おしゃべり
楽しい雑談は、こころの脳を発達させます。まず子どもの話を聞きましょう。

・声かけ
脳はくり返し入る刺激を重要なものと判断します。常にポジティブな声かけをしましょう。

・スキンシップ
思春期にかかるとハグなどはいやがることも。肩をたたく、ハイタッチなどでOK。

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今回は、子どもの脳の発達段階について『子どもが「発達障害」と疑われたときに読む本』から抜粋(一部要約)してお届けしました。次回は、子どもの脳を育てるために、大人が気を付けるべきことについて取り上げます。

取材・文/佐々木 奈々子

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■今回ご紹介の書籍はこちら
『子どもが「発達障害」と疑われたときに読む本』
落ち着きがない、忘れ物やミスが多い、集団行動ができないなどの「発達障害のような症状」が現れる原因はどこにあるか、今の困りごとへはどう対処するか、どう育てていけばよいか、をくわしく解説していきます。

『子どもが「発達障害」と疑われたときに読む本』成田奈緒子/監修
【本書の内容構成】
巻頭 その子は本当に「発達障害」なのか
1 まずは生活改善にとりくむ
2 子どもの発達を脳からみると
3 子どもを信じて育てる
4 信頼が成長につながる
5 大人が気をつけること
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