パパが痛感した「父親育休」の価値 「3時間以上眠れない」過酷な生活で見えた共働きの生存戦略

共働き時代のソリューション #2 (3/4) 1ページ目に戻る

髙崎 順子

育休中の収入をキープするためにしたこと

▲いっちーさんご家族(写真:本人提供)
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「3月が出産だったので、1月から5月までをお休み期間にしました。その間も動画の公開を続けられるよう、産前に多めに準備。そして仕事先には、撮影がお休みの期間も出演料として支払いを受けられる形を相談しました。対応してもらえたのは、本当にありがたかったです」(いっちーさん)

そしてこの工夫は、サラリーマンとして育休手当を受けられるAさんにも、大きな安心になりました。

「育休手当があるとはいえ、支給は毎月ではなく少し先になりますし、全く同じ金額の収入が得られるわけではないんですよね。人によっては一時的に、収入が下がってしまうと思います。ですから、育休中の生活費の貯蓄は必要になってくると思います」(Aさん)

協力しあって育休期間を過ごした二人にも、険悪になってしまう場面はもちろん、ありました。家事のやり方や時間の使い方など、お互いの違いにイライラしてしまうことも。そんなときは、なるべく早めの話し合いを心がけていたそうです。

「二人とも不満が顔に出るタイプなので、次の日に持ち込まないように『今、何を思っているの?』と聞いていました」(いっちーさん)

「なるべく柔らかい言葉を選んで、伝えるように意識していましたね」(Aさん)

なぜそのように心がけたか。それは「別れたくないから」と、二人は口を揃えます。

「やっぱり好きだし、波長があって、一緒にいて楽しいですから。改めて言うと気恥ずかしいですが……」(Aさん)

「私は、夫が爆発するところを見たくないんです。そこから言い合いになるのも、最悪のことを考えるのも嫌なので……二人の未来が明るくなるよう、早いうちに自分からアクションを起こしたほうがいいな、と」(いっちーさん)

二人が赤ちゃんを迎えて、もうすぐ1年。育休期間で揃って赤ちゃんとの暮らしに慣れた今、いっちーさんが遠方に出かけるイベント仕事も、再開できるようになりました。

「私たちの経験から、父親の育休取得はぜひ勧めたいです。育休があったおかげで、子どもをより、かわいいと思えている実感があります。仕事や家庭環境によって、育休取得が難しかったり、取得したいと思えない人もいるとは思いますが……経験を共有することは、本当に大切。できる人にはやってほしい」(いっちーさん)

「私の場合は育休中、家事育児をしながら在宅での仕事はできませんでした。今は保育園にお世話になって仕事を続けていますが、育休取得によって、自分の想い描く“家族ファースト”の姿勢で育休取得ができたことは、自分にとってもプラスでした。とは言っても、人それぞれ事情が違うので、計画的に、その人に合った育休を取得するのが大事ではないでしょうか」(Aさん)

育休取得が難しい職種にも広がる「父親育休」

2021年に父親の育休制度が始まってから、5年。育休を取る父親は、全体の4割を超えるまでになっています。

これまでは「男性の育休」が考えられなかった職場でも、着実に、実現する例が増えてきました。

その一つが、学校の先生たち。教員には年間の細かい指導計画があり、担任を持つと、長く休むのはほぼ無理、という職業でした。

ですが父親育休の制度ができたことで、先生たちも「取得したい」と意思表示できるように。休むタイミングの調整や代理教員の手配によって、取得を考えやすくなったと言います。

教員で父親育休を取得したケース
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