発達障害の「二次障害」とは? 不登校や鬱・不安を防ぐ対策と親の向き合い方を医師が解説

医師・古荘純一先生インタビュー<後編> (2/4) 1ページ目に戻る

発達障害の二次障害のリスク

写真:KeyRabbits/イメージマート
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発達障害とは生まれつきの脳の特性から、見たり、聞いたり、覚えたりする力(認知能力)の発達に凸凹(極端な得意・不得意)があったり、発達に遅れが出たりして、生活での困りごとが大きくなるもの。

その困りごとが脳の特性から来ているのか、生活習慣や他の障害(軽度知的障害など)から来ているのかの見極めが難しく、診断に時間がかかります。

そしてこの「特性の重なり」「見極めの難しさ」から、発達障害の診断や対応が進んでも、別の困りごとが続いてしまう『二次障害』が起きています。

二次障害には、いくつかのケースがあります。

「一つは、その子の主な障害がADHDなど『投薬で対応できる特性』の場合です。投薬で多動や不注意などの症状が緩和され、落ち着いて授業に参加できるようになったのに、勉強についていけずに困ってしまう。境界知能や、知覚・聴覚など薬では対応できない特性を併せ持っている子どもに多く、それまでADHDに隠されて目立ってこなかった特性に、対応できていないことから起こります。ADHDの診断のみは全体の3分の1ほどで、残りはほかの診断も併せ持つ、という文献もあります」(古荘先生)

それまで困っていた主な症状が改善したと思ったら、別の困りごとが目立ってくる──。

主な症状の困りごとで自信をなくしていたり、疲れが蓄積していた子どもたちは、この「別の困りごと」の連続で、より不安を深めてしまったり、学校に行けなくなってしまうのです。

投薬後の「期待」が、子どもを追い詰める?

また薬で症状が落ち着くことで、まわりの人の接し方が変わる影響もあります。

「親や教師が『これでこの子も、他の子と同じようにできるようになる』と安心し、学習や生活態度へのハードルを一気に上げてしまう。すると本人への負担が投薬前よりも増え、達成感が得られず、『自分はやっぱりダメなんだ』と自信を失う状況になります」(古荘先生)

発達障害は診断や対応に時間がかかりがちですが、その間に学年が上がって、同級生の学習や能力獲得のスピードが加速していきます。

すると、子ども本人の症状が投薬で緩和しても、周りの子との差は縮まらず、むしろ開いていく……そこから、勉強や学校に行くこと自体がつらくなってしまう、というケースもあります。

二次障害を防ぐ3つのポイント

時間をかけて困りごとに向き合い、やっとのことで発達障害の診断を受け、対応が始まった。症状は緩和しているのに、子どもは別のつらさの中にいる……。二次障害は当事者の子どもはもちろん、保護者にとってもやりきれない、胸の痛い状況です。

ですが二次障害は、必ず起きてしまうものでもありません。親や周囲がいくつかの点に気をつければそのリスクを減らせる、と古荘先生は次のように説明します。

1つ目のポイントは?
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