42歳・人気美容外科医が「15年ぶりの妊娠・高齢出産」へ 妊婦生活を直撃!
美容外科医・上原恵理先生へ聞く「15年ぶりの妊娠・高齢出産」 #1 現在の心境と15年前との社会の変化について
2023.12.13
美容外科医:上原 恵理
上原恵理先生(以下、上原先生):まず、前回とはライフステージが全く違うことが大きいですね。15年前は仕事を始めたばかりで、経済的にもキャリアにも不安が大きい中で妊娠・出産を経験しました。
今は、15年分のキャリアの蓄積ができて、当時よりは経済的な不安も減りました。そして妊娠2回目ということもあり、15年前の当時を振り返りながら「生まれたらどうやって育てていこう」「いつごろから保育園に預けようか」「その先の教育をどうするか」などがイメージできますし、考える余裕があります。
当時は、とにかく「子どもを生き延びさせるだけでなく、私も生きていかなきゃ」と必死で。選択肢を広げるというよりも、とりあえずやれることをやる! という感じでしたね。
15年ぶりの妊娠は体力的に不安も
──今、不安に感じていることはありますか?
上原先生:不安といえば、やはり体力的なことでしょうか。幸いにして、今のところ妊娠は順調で(2023年11月上旬現在)、大きなトラブルはなくここまできていますが、階段を上がっただけで息切れしちゃうし、家に帰ったら気絶したようにいつの間にか寝ていることも……。
15年前の妊娠中に、疲れたとか、息切れした記憶はまったくないんです。前回は体力的な不安はゼロだったのに、今回は「出産までこのまま仕事はできるかな」「産後どれくらい体力があるかな」など、常に頭の片隅にありますね。
前回は産後2週間で仕事復帰
上原先生:前回の妊娠出産では、産休をほぼ取っていないんです。出産3日前まで働いて、産後2週間で復帰しました。当時はお金もないので、自転車通勤していたんですが、さすがに産後2週間で自転車のサドルにまたがったときは、会陰切開の傷が痛かったですね(笑)。右に左に体をずらして自転車を漕いで出勤していた記憶があります。
実は身体のことで思い出すのはそれくらいなんです。もしかしたら、骨盤がガクガクするとか、腰が痛いとか、多少の体調不良は感じていたかもしれないけど、記憶に残るほどのものではなかったのかな。あるいは、あまりに必死でそんなことを感じている暇もなかったのかも(笑)。若さが勝って、大して気に留めることもしないまま乗り越えてしまっていたのかもしれないですね。
上原先生:私は、産後すぐに仕事に戻らなきゃと焦ってしまい、2週間で復帰しましたが、同じ女性医師でも、出産後仕事をセーブされる方も、もちろんいらっしゃいます。
私と同じ考えの医師だと、産前と同じ仕事量をこなしつつ、でも家庭もあって、子どももいる。そんな負担の大きい状況を乗り切るには、気合と根性しかないんですよね。
自分で選んだこととはいえ、仕事をセーブされている方を見ては、羨ましく思ってしまうときもある。でもその方からしてみれば、自分のキャリアが滞ることに対する不安などがあると思う。そう考えると、どちらがいいですよというのは、なかなか難しいですよね。
現在の私は、経営者という立場になり、復帰の時期も含めて自分で選べるのですが、自分が指示・管理監督をしないと自分の事業が傾いてしまう恐れもあり……。経営者だからと、ゆっくり休んでいられることも実はなくて。とはいえ、前回のような、休むことに対して精神的な引け目は少ないかなとは感じています。