42歳・人気美容外科医が「15年ぶりの妊娠・高齢出産」へ 妊婦生活を直撃!

美容外科医・上原恵理先生へ聞く「15年ぶりの妊娠・高齢出産」 #1 現在の心境と15年前との社会の変化について

美容外科医:上原 恵理

15年間で待機児童がゼロに!

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──この15年前と比べて、今回の妊婦生活で「世の中が変わったな」と感じたことはありますか。

上原先生:そうですね、なんといっても一番驚いたのは、保育園の待機児童についてです。
待機児童が激減していませんか!? 

15年前も今も東京23区内に住んでいますが、15年前は保育園の待機児童も多く、実際にそれを目の当たりにして、私もかなり大変な思いをしました。

当時の私は雇われの新卒の新米医師。お金もなければ、キャリアもない。そんな中、出産したらすぐにでも子どもを預けて復帰しなくてはという気持ちでいっぱい。でも、肝心の保育園がない! 待機児童が多くて、認可保育園なんて夢のまた夢でした……。

足繁く区役所に通って、相談してもどうにもならず、無認可保育園ですらなかなか見つからなかった。それでもなんとか、家から近くもない、マンションの一室のような無認可保育所に預けられることになって。

私だけでなく、社会全体としてそんな時代でしたね。それが今回事前に調べてみたら、私の住む区では、認可保育園の待機児童がゼロではないですか! これには本当にびっくりしましたね。

それと、母子手帳をもらいに行ったときも、驚きがありました。妊婦さん向けの福祉サービスの案内の束を一緒にくれたのですが、妊婦中や出産後に、こんなにもいろいろなサービスがあるのか! とびっくりしましたね。

「私の区では、赤ちゃんを産んでからも、助産師さんとの面談が終わったら、産後のベビーセット5万円相当をもらえるというのもありました!」(上原医師)

上原先生:子育てに対する日本の政治が悪く言われることも多いけれど、この15年の間に進歩し、問題点が改善されている側面もきちんとある。それを実感しましたね。

それから、15年前に都内を電車移動するとき、駅にエスカレーターはあってもエレベーターはないっていうパターンがすごく多かったんです。当時、ベビーカーを2台持っていて、1台は安定したがっちりしたもの、もう1台は折りたたんで運べる軽いコンパクトなものを使い分けていました。

子どもと電車に乗るときには必ず軽いほうのベビーカーでしたね。エレベーターのない駅の場合は、片手に子どもを抱え、もう片手にマザーバッグと折り畳んだべビーカーを持って、階段を上がるのが、それはもう、重いし大変で! 当時はあまり手伝ってくれる人もいなかったな……。このときはエレベーターが必要! と心底思っていたのですが、最近はエレベーターのある駅が増えたばかりか、駅でベビーカーを借りられるんですってね。このあたりもこの15年で大変な進歩だと思いますね。

───◆──◆───

「若くして経験した妊娠出産と、今の高齢出産の両方を味わっているところ」だという上原先生。

若いときに産むか、高齢になってから産むか、どちらがいいか「それぞれいいところはあって大変な面もある。一長一短で当事者の私ですらわからない」と話します。

次回2回目は15歳の娘さんへ妊娠を伝えた様子と、パートナーとの関係についてお話しいただきます。

取材・文/浅妻千映子
撮影:日下部真紀

上原医師のインタビューは全3回。
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うえはら えり

上原 恵理

Uehara Eri
美容外科医

美容外科医、美容皮膚科医、美容クリニック「THE ONE.」院長。日本形成外科学会認定専門医。 群馬大学医学部医学科卒業後、2006年東京大学医学部付属病院勤務、2010年帝京大学医学部付属病院勤務、2018年都内美容クリニック勤務の後、2020年神楽坂に開業。2021年虎ノ門に『THE ONE.』開業。 形成外科学会では登壇者の5%ほどしかいない女性医師として数多くの学会に登壇。国内にとどまらず、海外の学会にも数多く参加。これまでに積み上げた確かな技術と実績で、数多くの患者様から信頼を得ている。 また、医師として正しいホームケアと美容医療の情報をSNSで発信。SNSのフォロワーは合計約30万人。 主な著書:『すっぴんクオリティを上げるさわらない美容』、「医者が教える人生が変わる美容大事典」(共にKADOKAWA) THE ONE.  https://theoneclinic.jp/ https://www.instagram.com/eri.uehara/

美容外科医、美容皮膚科医、美容クリニック「THE ONE.」院長。日本形成外科学会認定専門医。 群馬大学医学部医学科卒業後、2006年東京大学医学部付属病院勤務、2010年帝京大学医学部付属病院勤務、2018年都内美容クリニック勤務の後、2020年神楽坂に開業。2021年虎ノ門に『THE ONE.』開業。 形成外科学会では登壇者の5%ほどしかいない女性医師として数多くの学会に登壇。国内にとどまらず、海外の学会にも数多く参加。これまでに積み上げた確かな技術と実績で、数多くの患者様から信頼を得ている。 また、医師として正しいホームケアと美容医療の情報をSNSで発信。SNSのフォロワーは合計約30万人。 主な著書:『すっぴんクオリティを上げるさわらない美容』、「医者が教える人生が変わる美容大事典」(共にKADOKAWA) THE ONE.  https://theoneclinic.jp/ https://www.instagram.com/eri.uehara/

あさづま ちえこ

浅妻 千映子

料理研究家・ライター

料理研究家、フードライター。東京都出身。『dancyu』、『Figaro』、『Pen』、『サライ』等の雑誌やオンラインを中心に、主に食や料理人について執筆。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート。身近な素材を中心に、短時間で作れる料理や、ちょっとおしゃれなおつまみレシピが得意。ワインスクール「アカデミー デュ ヴァン」でワイン&クッキングクラス担当。子育てのストレス解消は水泳。1児の母。 <主な著書> 『ほめられレシピ』主婦と生活社/『浅妻千映子キッチン』ぴあ/『パティシエ世界一』PHP文庫(辻口博啓シェフと共著)、『江戸前「握り」』光文社新書(荒木水都弘さんと共著/『東京広尾アロマフレスカの厨房から』光文社新書(原田慎二シェフと共著)など。また、毎年刊行されるレストランガイド『東京最高のレストラン』の選者の一人。

料理研究家、フードライター。東京都出身。『dancyu』、『Figaro』、『Pen』、『サライ』等の雑誌やオンラインを中心に、主に食や料理人について執筆。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート。身近な素材を中心に、短時間で作れる料理や、ちょっとおしゃれなおつまみレシピが得意。ワインスクール「アカデミー デュ ヴァン」でワイン&クッキングクラス担当。子育てのストレス解消は水泳。1児の母。 <主な著書> 『ほめられレシピ』主婦と生活社/『浅妻千映子キッチン』ぴあ/『パティシエ世界一』PHP文庫(辻口博啓シェフと共著)、『江戸前「握り」』光文社新書(荒木水都弘さんと共著/『東京広尾アロマフレスカの厨房から』光文社新書(原田慎二シェフと共著)など。また、毎年刊行されるレストランガイド『東京最高のレストラン』の選者の一人。