挫折の先に…子どもたちの「面白い」が聞きたくて
はやみね:自分の道を決意したのは、大学4年生の終わりです。
江戸川乱歩賞の締め切りが1月31日、卒論の締め切りが2月2日で、みんなが卒論を書いている横で小説を書いていました。手書きで1000枚の小説原稿を書き上げたと思ったら、すぐに卒論も書かなきゃいけない。友達に助けてもらいながら、なんとか提出することができました。
結果、乱歩賞は一次選考も通過せず敗退。しかし、教員の採用試験には無事に受かり、教師で頑張ることにしました。もう絶対、小説は書かないと決めたんです。
はやみね:小学校の先生になってからは、一生懸命子どもたちに授業をしましたが、僕は時間配分するのが苦手で。45分の授業なのに、なぜか40分で終わっちゃうんですよね。子どもたちを早めに運動場に放り出したら、校長先生に怒られて(笑)。
そんなこんなで余った時間を利用して、星新一さんのショートショートを話して聞かせたんです。黒板に絵を書いて話すと、子どもたちは授業より熱心に聞いてくれました。
そのうちネタが尽きたので、自分が中学3年生のときに書いたショートショートを聞かせてみました。そしたら「今日のは面白くない」って子どもたちが言うんですよ。それがショックで(笑)。
子どもたちにどうしても「面白い」と言わせたくて、やめていたお話づくりを復活させました。
毎日ちょっとずつ考えては聞かせて、子どもたちの食いつきを観察しながらお話の方向を変えていって。気づけば1冊分のお話になっていました。
その習慣が続いて、2つ目につくったお話が講談社児童文学新人賞で入選した『怪盗ピエロ』なんです。子どもたちのおかげで、またお話をつくる機会に恵まれました。
「好きなことに夢中になる君」を肯定する3冊
──デビュー作『怪盗ピエロ』から35年あまり。2026年は『都会トム』最新刊がご自身の誕生日(4月16日)にあわせて刊行されるなど、常に第一線で、読者へ驚きとワクワクを届けていらっしゃいますね。ぜひこの記事のテーマ『物語の処方箋』にちなみ、今この時代を生きる読者へ贈る、はやみねさんとっておきの作品も教えてください!
はやみね:好きなことに夢中になるって、素晴らしいと教えてくれたお話を3冊選びました。どのお話も、僕の生き方に影響を与えた作品です。



















































































