大学生の母・フィフィ タレント業と子育ての両立で号泣するわが子を前に決意したこと

フィフィさん子育てインタビュー#1「子育てのモットー」

タレント:フィフィ

エジプト生まれのフィフィさん。2歳で日本に引っ越し、小学校から日本で学び、日本で子育てをした。
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近年、論客としての活動が目立つタレントのフィフィさん。政治や社会問題などを独自の目線で鋭く斬ってSNSを中心に発信、その強い発言力は多くの人を惹きつけ、フォロワー数はYouTube40万人、Twitter62万人にものぼっています。

そんなフィフィさんも、実は1児の母。あまり知られていないことですが、日本人の夫との間に生まれた大学1年生の長男がいます。母親になって19年め、果たしてフィフィさんは、これまでどんな子育てをしてきたのでしょう!? 祖国エジプト流? はたまた日本流? それとも──。

フィフィPROFILE
1976年、エジプト・カイロ生まれ。両親に連れられて幼いころに訪日し、小・中・高と日本の公立学校で学ぶ。近年は、フォロワー数YouTube40万人、Twitter62万人の論客として、鋭い切り口で国内外のニュース(社会問題、政治、エンタメ)を中心に発言。私生活では、大学1年生の息子(2005年生まれ)を持つ母。

※1回目/全4回

「他のお母さんと比較しない」が子育てのモットー

フィフィさんがタレント活動をスタートさせたのは、2005年。エジプト出身であることから「ファラオ(古代エジプトの王)の申し子」などと言われ、数々のバラエティ番組に引っ張りだこ。多忙な日々を送っていましたが、実はそのとき、フィフィさんは、すでに長男を授かっていました。

「私、子どもが生まれた年に芸能界に入っているんです。息子が生後8ヵ月になるときでした。芸能界は時間が不規則で、おまけにロケなどもあって、ドタバタの毎日……。そんな中で子育てをしていたので、ホントーに大変でしたね」

子どもの面倒を見てくれる両親が近くにいるわけではなく、ベビーシッターを雇うわけでもなく、基本的に、育児は夫と分担して自分たちだけで。

「私が住む自治体には、地域のおばさんなどが夜10時くらいまで子どもを預かってくれる子育て支援の制度があって、それを利用することもありました。とても助かったことは確かですが、『こんなに長いこと、預けていいものか!?』と、後ろめたさがあったのも事実。

それに、子どもを預けて仕事に行こうとすると、子どもは泣いちゃうでしょう? その姿を見ると、毎回、毎回、心が痛む。それでも、後ろ髪を引かれながらも、仕事に出かける自分がいるわけです。葛藤の日々ですよね」

こうした状況下で、フィフィさんが、ひとつ心がけていたことがあります。それは、「他人と自分を比べない」ということ。

「他のお母さんと自分を比較しちゃうと、『私のやり方は間違っているんじゃないか』、『私は子どもにとっていい母親なのか』など、あれこれ考えてしまう。その結果、あせりや不安も出てきて、『仕事なんて、もう明日辞めてしまおう』と思えてきたり……。

だから私は、とりあえず誰とも比較せず、『自分は自分の方法で子育てをすればいいんだ』と思うようにしていたんです。正直、あのドタバタな日々の中では、そういうことでしか自分を保つことができなかった」

こんな自分の経験から、子育てに悩む後輩ママにも「人と比べず、自分のやり方を信じて」とフィフィさんはアドバイス。

「人と比べると、自分で自分を追い込んで苦しくなっちゃう。みんな、自分をよく見せたいから、ちょっとずつ見栄を張ったりしているんですって(笑)。

そういう人と表面的なところで比較してあせったり悩んだりしても、仕方がない。みんな、ひとりひとり、自分らしい子育ての方法を見つけて頑張っていくしかないと思います」

“異端”の自分に慣れているからこそ貫けたポリシー

他人と比較せず、我が道を信じて突き進む。簡単そうで、実はなかなか難しいことではあるけれど、「『自分がスタンダード』と思えばできる」とフィフィさん。

「私は小さいころから日本で暮らして、日本語も自由に操ることができますが、やっぱり外国人なんですね。

だから、例えばファッションにしてもメイクにしても、みんなと同じようにやっても同じにはならなくて、外国人であることが強調されちゃう。それが、みんなの目には滑稽に映ったりしていたみたいなんですよ(笑)」

成長するにつれ、自分がある意味“異端”と悟ったといいますが、それがプラスに作用したとも。

「どうせみんなと同じにならないなら、自分に似合うものを身に付けて、自分らしく生きればいいや、と。そう思うしかなかったのですが、そんなことを心掛けていたら、いつの間にか『自分がスタンダード』という考え方が身についたというか……。

自分がスタンダードだと思えれば、人と比較しなくなるから、すっごくラク。子育てに限らず、すべてにおいて言えることです」

“近所のママ友”なんていらない!!

そしてもうひとつ、「他のお母さんと比較しない」こと以外に、子育てにおいてフィフィさんが貫いたのは、「近所にママ友を作らない」ということでした。

「忙しすぎて作る余裕がなかった、とも言えますが……。息子は地域で野球やサッカーをやっていましたが、その辺りのことはすべてお父さん(夫)に任せていましたから、近所のお母さんたちと接する機会はなくて。

あえてそうしていた部分もあります。私は、『タレント・フィフィ』をやっていますから、私生活を近所の人にあまり見せたくないという思いがあったんですね。

だからもう最初から、近所のママ友の輪には入らない道を選んだ。だいたい、輪に入って密にお付き合いをしようとしたところで、時間がなさすぎて、できなかったですし」

とはいえ、フィフィさんにとっても、同じ年頃の子どもを持つ人との交流は必要でした。

「だから私は“遠くのママ友”と付き合っていました。ちょっと遠くに、同じ年頃の子どもを育てる友達が複数いたんですね。そういう人たちと、近所の公園に集まるのではなく、週末、例えば、都心部の代々木公園に集合してピクニックをするとか、そんな遊び方をしていましたね。

私は、自分の私生活を見られるのはあまり好きではないので、遠くのママ友はラク。いい距離感で付き合うことができましたよ。ママ友とベッタリの関係が苦手な人は、遠くのママ友を作るのがオススメです」

遠くのママ友なんて、どうやって作るの? と思う人もいるような……。

「今のご時世、インターネットがあるじゃないですか。知らない人でも、ちゃんと話を聞いてくれて、相談に乗ってくれるようなコミュニティはいくらでも作ることができますよ」

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