子どもが「介護福祉士」体験! リピート20回超の子もいる 〔キッザニア東京〕ケアサポートセンターがウケるワケ

子どもと一緒に学ぶ「介護事業」~前編~ SOMPOケア出展「ケアサポートセンター」パビリオンのICTを使った介護技術にふれるを取材

ライター:山田 優子

キッザニア東京「ケアサポートセンター」パビリオン体験イメージ。  画像提供:キッザニア東京
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2023年7月、キッザニア東京にSOMPOケアが出展する「ケアサポートセンター」という新たなパビリオンがオープン。

このパビリオンで、子どもたちは、高齢者の姿勢になって歩行したり、車いすへの移乗や街に出かける介助体験をしたり、さらに、最先端のICT技術を取り入れた介護の現場にふれることができます。

一般的に介護の仕事は「重労働で大変そう」「アナログな業界」と思われがちですが、実は近年、テクノロジーの導入により介護現場は大きく進化しているのです。

そこでキッザニア東京への出展背景や、子どもたちに伝えたい介護の魅力について、SOMPOケアにお話を伺いました。

(全2回の前編)

キッザニア東京に「介護福祉士」の仕事体験パビリオン登場!

「優しい気持ちで人に接するって大切なことなんだね!」

「介護の仕事って面白い!」

これは、キッザニア東京の「ケアサポートセンター」で介護福祉士の仕事を体験した子どもたちから寄せられた言葉です。

2023年7月のオープン以来、多くの子どもたちが体験し、なかには9月末の時点で、20回以上リピートしているお子さんも!

それほど子どもたちを惹きつける体験とはどのようなものなのでしょうか? SOMPOケア地域包括ケア推進部・理事部長の薄一臣 (うすき・かずおみ)さんに伺いました。

キッザニア東京に「ケアサポートセンター」パビリオンがオープン! オープン初日は注目が集まり、あっという間に体験予約はいっぱいに。  画像提供:SOMPOケア

「子どもたちは、最初に介護の基本的な理念である、『相手の気持ちを尊重した高齢者との接し方』について学びます。

その後、高齢者の身体の状態や気持ちを体感するため、特殊な器具を用いて腰が曲がった姿勢での歩行を体験します。この体験で、高齢者が日常で感じている不自由さを知ってほしいと考えています」(薄さん)

声をかけて部屋に入ると、ベッドには眠っているけいこさん(介助人形)が。睡眠センサーを使って、けいこさんの睡眠状態をチェック。  画像提供:SOMPOケア

「次に、介助人形『けいこさん』を使用して、介助体験を行います。最新ICT技術である睡眠センサーによりモニターに表示されたけいこさんの睡眠状態を確認します。

続いて、実際にけいこさんをベッドから車椅子に移乗させ、外出する想定で、身支度を整えます。また、子どもたちが車いすを押したり、乗ったりしながらキッザニアの街に出かける介助体験をします。

最後に、介護福祉士の仕事を振り返り、介護福祉士のIDカードをお渡しします。IDカードは写真入りで、裏面には介護福祉士の心得が書かれているんですよ」(薄さん)。

介護福祉士のIDカードを持って。   画像提供:キッザニア東京

こだわったのは、テクノロジーを活用して、介護の「未来感」が伝わるようにしている点だと薄さんはいいます。

「この睡眠センサーは、介護業界で活用されている代表的なテクノロジーです。ベッドに横たわる人の心拍数、呼吸数をセンサーが察知し、『眠っている状態』『起きている状態』といった様子をモニタリングできるんです。

SOMPOケアでは、現在全国約290棟(※2023年4月1日現在)すべての介護付きホームで睡眠センサーが導入されており、実際このテクノロジーによって介護職員の夜間の巡回業務の負担が軽減されています。

『今はこんなに介護の現場でテクノロジーが進んでいるんですね!』と、保護者のみなさまたちからも驚きの声を多くいただいています」(薄さん)

現在、介護現場では、徐々にテクノロジーが導入されはじめ、世間一般の「介護事業はアナログだ」というイメージではなくなりつつあります。なぜ、SOMPOケアはキッザニア東京への出展を決めたのでしょうか。

「私たちは、介護の仕事の魅力を多くの子どもたちに伝えたいからです。

これまで介護の仕事は、『3K(きつい、汚い、危険)』というネガティブなイメージがありました。そのため、子どもが将来就きたい職業としてなかなか選ばれてきませんでした。

だからこそ、私たちはキッザニア東京の『ケアサポートセンター』パビリオンを通して、子どもたちに『介護の仕事は楽しいんだ』ということを伝えたいと思っています。実際、体験した子どもたちからは、『こんなに楽しい仕事とは思わなかった』とポジティブな声があがります。

また、今回キッザニア東京に出展したことを機に、現在介護に携わる人からも、『自分たちの仕事に誇りを持つことができた』といった感謝の声が届いています。キッザニア東京への出展が、介護の仕事の価値を見直すきっかけにつながっていると感じます」(薄さん)

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