子どもが「介護福祉士」体験! リピート20回超の子もいる 〔キッザニア東京〕ケアサポートセンターがウケるワケ

子どもと一緒に学ぶ「介護事業」~前編~ SOMPOケア出展「ケアサポートセンター」パビリオンのICTを使った介護技術にふれるを取材

ライター:山田 優子

介護業界の人手不足を補うテクノロジーの導入

SOMPOケアは、キッザニア東京への「ケアサポートセンター」パビリオン出展を通じて、子どもたちに介護の魅力を伝えようとしています。出展の背景には、介護業界の避けては通れない課題がありました。

「現在、介護業界は深刻な人手不足に直面しています。特に2040年には、約69万人の介護職員が不足すると言われています。

超高齢社会を迎える日本では、介護の需要がどんどん高まっていく一方で、高齢者を支える介護者の数が追いついていません。そうした需要と供給のギャップが生まれているのです」(薄さん)

介護者が足りなければ家族が介護の重荷を負わなければなりません。実際に、介護と仕事との両立が難しくなり、介護を理由に仕事を辞めなければならない状況も増えています。

また、高齢者の介護を高齢者がおこなう「老老介護」も増えており、介護疲れが原因での悲しい事件や事故も後を絶ちません。

このような背景を受けて、介護職の需給ギャップを埋める取り組みが求められる中、SOMPOケアではキッザニア東京への出展を通じて、介護の魅力や重要性を多くの人たちに伝えているのです。

また、SOMPOケアでは、睡眠センサーのほかにも、さまざまなテクノロジーを介護現場に導入しています。

自動体位変換で床ずれなどを軽減するエアマットレス「ラグーナ」。  画像提供:SOMPOケア
身体全体をあたたかく包み込むリクライニング式シャワー入浴装置「美浴」。  画像提供:SOMPOケア

「人の手でしかできない介護の仕事は人が行い、それ以外の仕事は機械やテクノロジーを活用する」といった方針を打ち出すSOMPOケア。それにより介護現場では次のような変化が起きているといいます。

「本来、介護に携わる職員は、高齢者の方たちが大好きで、高齢者に寄り添い、高齢者ができないことをサポートすることで得られる『ありがとう』の言葉や笑顔に喜びを感じている人が多いんです。しかし、実際の介護現場は人手不足により、ご利用者の方々に十分な時間を割くことが難しい状況でした。

テクノロジーを導入することで生産性が上がり、今、介護に携わる職員たちはようやく本来求めていた介護の在り方に時間を使えるようになっています。

例えば、自然の中を一緒に散歩したり、部屋で衣替えを一緒にしながら話を聞いたり、体調不良の原因を分析して改善するなど、テクノロジーの活用により利用者の方々に寄り添える時間が生まれています。

今、介護業界は過渡期。テクノロジーの活用により、介護の仕事がこれからより一層、魅力的になっていくと思います」(薄さん)

介護は支えるだけでなく、支えられる仕事

では、実際に介護現場で働く魅力とはどのようなものでしょうか。広報部の小林美佳子さんは、介護業界に入った当初、「介護は大変な仕事なのではないか?」というネガティブな気持ちを抱いていたといいます。

しかし、実際に介護の現場で働き、ご利用者やそのご家族から感謝の気持ちや温かい励ましを受ける中で、やりがいや喜びを感じることができたといいます。

「私が介護現場にいたとき、日常のちょっとした介助を手伝うだけで、『ありがとう』と心から感謝をしてもらえました。さらに、利用者の方によっては、『あなたが来てくれて嬉しい』『あなただと安心できる』という言葉をいただいたことも。

確かに、肉体的にはハードなこともありますが、温かい言葉を受けて『この仕事をしてよかったな』という思いがあります。

介護の仕事は、介助をするだけでなく、利用者の方の自立を目指すことも大切な仕事のひとつです。例えば、『腕が動かせるようになった』『今まで2人の介助が必要だった人が、1人で立ち上がれるようになった』といった変化を目の当たりにし、自立を一緒に感じることができる。それが自分の喜びにも繫がります」(小林さん)

小林さんによれば、介護は高齢者を支える仕事だけではなく、コミュニケーションを通じて、介護をする側も気持ちが支えられている仕事だと感じているといいます。

では、普段あまり高齢者と日常的な触れ合いがない子どもたちが高齢者とかかわる際に、何かできることはあるのでしょうか。

「特別なことは何も必要ありません。ただ話を聞くだけでも、高齢者の方たちはすごく喜んでくれると思いますよ。子どもの純粋さや好奇心は、高齢者の方たちにとっては、とても新鮮であり、コミュニケーション自体が貴重な時間だからです」(小林さん)

SOMPOケアでは、子どもと高齢者との多世代交流も積極的に行っています。その一環として行われているのが、「SOMPO流 子ども食堂」です。実際、子ども食堂では、子どもと高齢者との触れ合いによってたくさんの奇跡が起きているといいます。

次回は、SOMPOケアが推進する「SOMPO流 子ども食堂」を通じ、子どもと高齢者との交流がもたらす影響について、引き続き、SOMPOケアの方にお話を伺います。

取材・文/山田優子

SOMPOケアの記事は全2回。
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(※後編は2024年1月23日公開。公開日までリンク無効)。

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やまだ ゆうこ

山田 優子

Yamada Yuko
ライター

フリーライター。神奈川出身。1980年生まれ。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、拠点を大阪に移し、さまざまな業界を経て、2018年にフリーランスへ転向。 現在は、ビジネス系の取材記事制作を中心に活動中。1児の母。

フリーライター。神奈川出身。1980年生まれ。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、拠点を大阪に移し、さまざまな業界を経て、2018年にフリーランスへ転向。 現在は、ビジネス系の取材記事制作を中心に活動中。1児の母。