自分を認めてくれる場所があれば安心できる
──親からすると、子どもには「自分らしさを大切にしてほしい」と思う一方、周りと一緒じゃないと不安を感じたり、人並みであることに安心したりもします。香里武さんのご両親は、いかがでしたか?
香里武さん 両親は、そういうタイプではなかったですね。ただ、奇をてらったり、人と違うことを狙うのではなく、「自然と好きになったのなら、周りと違ってもいいんじゃない?」という感覚でしょうか。
僕はたまたま魚でしたが、周りの友達と同じようにゲームにハマっていたら、それはそれで見守ってくれたと思います。
学校になじめなかったとき、母から「ゲームを買ってあげようか?」と聞かれたこともあるのですが、「いらない」と答えました。無理してなじんでも、いつか疲れちゃいますからね。
──子どもの世界で「自分らしさ」を貫くのは、強さと勇気も必要かもしれませんね。
香里武さん たしかに子どもたち、特に小学生は、学校で過ごす時間が1日の大半ですから、周りと違うことに恐怖を感じることは絶対にあると思います。
僕も小学5年生のときがまさにそうで、クラスの中で自分の存在なんてないに等しいと感じていました。そういった恐怖や孤独感を取り除いてあげるのは、親や周りの大人の役割なのかもしれないです。
僕の場合は、学校の外に認めてくれる師匠がたくさんいたので、“自分”というものを保つことができました。
学校がすべてじゃない。学校にいる自分は、いろいろな自分の中の1ピースに過ぎないのだと思えたら、安心できるし、自分を認めてあげられるはずです。
親御さんにはぜひ、お子さんをいろいろなところへ連れていって、たくさんの人に接する機会を与えてあげてほしいです。
人と違うことを追求していると“唯一無二”になれます。そうして自分のアイデンティティが強固になれば、おのずと自信がつくのではないでしょうか。
第3回は、鈴木香里武さんのお仕事観について伺います。
取材・文/星野早百合
星野 早百合
編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。
編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。
鈴木 香里武
1992年3月3日生まれ、うお座。岸壁幼魚採集家、株式会社カリブ・コラボレーション代表取締役社長。 子どものころから魚に親しみ、学習院大学大学院で観賞魚の印象や癒やし効果を研究した後、現在は北里大学大学院で稚魚の生活史を研究。メディアやイベントへの出演、執筆など、海や魚の魅力を伝える活動をしながら、2022年7月、静岡県・清水町に世界初の「幼魚水族館」をオープンし、館長を務める。 『岸壁採集!漁港で出会える幼魚たち』(ジャムハウス)をはじめ、著書も多数。 ●カリブ・コラボレーション ●Twitter @KaribuSuzuki ●Instagram karibu_suzuki ●幼魚水族館
1992年3月3日生まれ、うお座。岸壁幼魚採集家、株式会社カリブ・コラボレーション代表取締役社長。 子どものころから魚に親しみ、学習院大学大学院で観賞魚の印象や癒やし効果を研究した後、現在は北里大学大学院で稚魚の生活史を研究。メディアやイベントへの出演、執筆など、海や魚の魅力を伝える活動をしながら、2022年7月、静岡県・清水町に世界初の「幼魚水族館」をオープンし、館長を務める。 『岸壁採集!漁港で出会える幼魚たち』(ジャムハウス)をはじめ、著書も多数。 ●カリブ・コラボレーション ●Twitter @KaribuSuzuki ●Instagram karibu_suzuki ●幼魚水族館