多彩なアイデアで手作りおもちゃを提案している佐藤蕗さんに、2〜3歳向けのおもちゃの作り方を紹介していただく連載シリーズ。第3回は、ごくシンプルな材料やアイテムを用意して「目的」を設定するだけ。公園へのお出かけをスペシャルなものにしてくれる方法を紹介します。いつもの道を歩くのが、ぐんと楽しくなります!
「親子の散歩」のマンネリ化を脱出!
心身のさまざまな面で成長が著しい2〜3歳は、親としては日光を浴びて体を動かす「外遊び」の時間も大事にしたいところ。そのため、散歩や公園へのお出かけを、子どものための習慣として取り入れているご家庭も多いと思います。
ただ、同じようなコースを歩くだけ、ただ公園に足を運ぶだけでは、マンネリ化してしまうことも……。そこで、おもちゃ作家の佐藤蕗さんに、2〜3歳から楽しめる「親子のちょっとした外歩きをワクワクするものに変える」アイテムを教えていただきました。
「いろあつめカード」で「色」を見つける小さな旅へ
「親子で散歩や公園に行くときに、これを持っていくだけでOK」と佐藤さんがすすめるのが、「いろあつめカード」です。
遊び方は、手作りのカードと色つきシールを持ち歩きながら、「赤いものを探してみよう!」「青色はどこにあるかな?」などと声かけしながら、スタンプラリーのような要領で、街や公園の中で同じ色を探すというもの。場所を選ばず「やろう!」と決めた瞬間からスタートできる便利な遊びで、子どもも夢中になって探しはじめます。
「何のへんてつもない道でも、“色集め”という目的を設定することで、すごくワクワク感が生まれるんですよね。花壇の花や、街の看板など見過ごしていたものの存在にも気づきますし、新鮮な目で見つめてみると、さらにいろんな発見がある。大人も一緒になって楽しめますよ」(佐藤さん)
親子で楽しみながら観察力も鍛えられる
ポストやバス停、ガードレール、花壇、駐輪場……。探してみると、街のあちこちにさまざまな色が見つかります。ひとつ色が見つかるたびに、カードにシールをもらい、自分で貼っていく過程も楽しいもの。
「カードとシールを作って親子で出かけるだけ」という手軽さもあって、佐藤さんは、実際にこの遊びを息子さんと何度となく楽しみました。
「この遊びを子どもと一緒にしていると、普通に歩いているときは意識していなかったものも、目に止まるようになってくる。自分が多くのことを見逃していることに初めて気づくんですよね。子どもにとっても、観察力を磨く訓練になっていると思います」(佐藤さん)
カードに描かれた丸がすべてシールで埋まったらクリア、というのが基本のルールですが、場所や状況により、さまざまなアレンジが可能です。
「猫のシールを使って近所の猫を探すゲームにしてみたり、制限時間を設けてみたりと、子どもの興味や成長に合わせて設定を変えていくのも面白いですよ」(佐藤さん)