「親が空気を読んではいけない」グローバルで通用する子どもの「最強コミュ力」とは?
欧米の子どもが「イエス・ノー」がいえるのは教育の賜物 世界に通用する子どもの育て方 #4
2023.04.22
バイリンガルスクールTLC for Kids代表:船津 徹
グローバル社会で活躍するには学力も大切ですが、それ以上に「自信」「考える力」「コミュニケーション力」が必要です。
ハワイにあるバイリンガルスクールの代表であり、自身も教鞭をとる船津徹先生が、環境や時代の変化に負けないたくましい資質を持った子どもを育てるポイントを教えてくれます(全4回の3回目、#1、#2、#3を読む)。
◆船津 徹(ふなつ とおる)
バイリンガルスクールTLC for Kids代表。幼児教育の権威である故・七田眞氏に師事。2001年ハワイ・ホノルルにTLC for Kidsを設立し、英語力、コミュニケーション力、論理力など、世界で活躍できるグローバル人材を育てるための独自の教育プログラムを持って指導にあたっている。2020年までに5000名以上の子どもの教育に携わり、卒業生の多くが世界の難関大学に進学し、各国で活躍している。
日本の親は子どもに答えを与えすぎる!? 「考える力」の育て方
国際化する社会において、学力以上に次の3つの力が必要だと船津先生は話します。これらがなければ、子どもは国際社会の壁にはばまれて、挫折や自信喪失を経験しかねません。
グローバル社会を生き抜くための3つの力
① 「自信」
② 「考える力」
③ 「コミュニケーション力」
「自信の育て方については第3回(#3を読む)で解説しましたが、これに続く『考える力』を育むコツもお話ししましょう」(船津先生)
読み聞かせで言葉の力を育てる
考える力、つまり思考力は言葉を使って行われるので、まずはそれを扱えなければ育ちません。ですから幼いうちは、親御さんが子どもに話しかけたり、本を読み聞かせたりして言葉をインプットしてあげましょう。
ただし、グローバル化を意識し、英語ができる子に育てたいからといって「英語で語りかける」のはやめてください。親御さんが不得意な言葉で、かつ気持ちが伝えられないような語りかけをしても子どもの言葉は育ちません。
一方、「方言」で語りかけるのは気にしなくて大丈夫です。親御さんの気持ちが入った言葉になるので、子どもは言葉に対して高い興味を示すはずです。
語りかけや読み聞かせを経て子どもが文字に興味を持ったり、5歳を迎えるころになったら、ひらがなやカタカナの勉強を始めるといいでしょう。
ただし、文字を学んで子どもが一人で本が読めるようになっても、小学校2~3年生ごろまでは読み聞かせを継続することが重要です。
文字が読めるとはいっても、最初は文字を追うことに一生懸命で意味までは理解できていません。ストーリーに集中できるよう、ある程度大きくなるまでは読み聞かせをしてあげてください。
小学校に入ったら、自分で考える習慣を与える
読み聞かせを継続しつつ、子どもには読書を勧めましょう。親子で図書館に行って本を一緒に選んだり、高学年が見えてきたら小説やノンフィクションにも導いてあげたりしてもいいでしょう。
また時事問題やスポーツ、環境などを扱った新聞記事について親子で意見交換をするのもおすすめです。
例えば「少子高齢化」なら、どうしてそういう社会になったのか、どうしたら解決できるのかといったことを親子や家族で話し合います。
「考える力」は他人と意見交換をすることで育っていくので、子どもの考えを尊重しながら思考を深めてあげるといいでしょう。
英語を早くから覚えさせると日本語力が落ちる?
結論からいうと、日本国内に住んで、週に1回、1~2時間ほど英会話スクールに行ったとしても、家族やお友達とも日本語で会話をしているなら問題はありません。
影響があるのは、日本で住んでいるにもかかわらず、親が不得意なのに英語だけで話しかけ、愛情のかけらもない言葉を浴びせることです。これでは日本語力にも思考力にも影響が出ます。
バイリンガル並みに親が英語が話せない中で子どもの英語力を少しでも育てたい場合は、「ネイティブの音声」を活用しましょう。