子どもの学力を宝の持ち腐れにしてませんか? 親が知っておくべき「正しい自信の育て方」

3つの力が環境や時代に強い子どもにする! 世界に通用する子どもの育て方 #3

バイリンガルスクールTLC for Kids代表:船津 徹

国際化する社会には確かに学力は必要です。しかし、それだけでは子どもはグローバル社会の壁にはばまれて、挫折や自信喪失を経験しかねません。 写真:アフロ

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国際化する社会でさまざまな背景を持つ人たちと交わっても、臆することなく活躍してほしいと親御さんが子どもに願うのは当然です。

そのため、幼いころから教育に力を入れている方は多いでしょう。

しかし、ハワイにあるバイリンガルスクールの代表であり、自身も教鞭をとる船津徹先生は、グローバル社会で活躍するには学力以上に大切なことがあるといいます。

環境や時代の変化に負けないたくましい資質を持った子どもを育てるポイントを、船津先生に伺います(全4回の3回目、#1#2を読む)。

◆船津 徹(ふなつ とおる)
バイリンガルスクールTLC for Kids代表。幼児教育の権威である故・七田眞氏に師事。2001年ハワイ・ホノルルにTLC for Kidsを設立し、英語力、コミュニケーション力、論理力など、世界で活躍できるグローバル人材を育てるための独自の教育プログラムを持って指導にあたっている。2020年までに5000名以上の子どもの教育に携わり、卒業生の多くが世界の難関大学に進学し、各国で活躍している。​

これからの子どもたちには「自信」「考える力」「コミュニケーション力」が必要

国際化する社会には確かに学力は必要です。しかし、船津先生はそれだけでは子どもは国際社会の壁にはばまれて、挫折や自信喪失を経験しかねないと話します。

「第1回(#1を読む)でも話しましたが、学力は大切なものの、国際化する社会においてはさまざまな背景を持った人と渡り歩ける力が必要です。

そのためには、私は次の3つの力を身につけるべきだと考えます。これらがなければ、せっかくの高い学力も宝の持ち腐れになるでしょう」(船津先生)

グローバル社会を生き抜くための3つの力

①    「自信」
②    「考える力」
③    「コミュニケーション力」

① 「自信」

小学校卒業までを目安に身につけたい自信には、「根拠のない自信」と「根拠のある自信」の2種類があります。前者が幼児期に、後者が小学校時代に得たい力です。

親御さんはすでにさまざまな経験をしているので重々承知していますが、例え子どもの社会でも一歩、外に出たら嫌な目に遭ったり、トラブルに遭ったり、競争する場面にも遭います。

大人の社会や国際社会は、もっと厳しいものです。その環境を乗り越えていくには、「自分は価値のある人間だ」と子どもが自分の存在を心から信じていることが重要です。

② 「考える力」

ハワイの学校でさまざまな人種の親子を見ていると、日本人の親は子どもに答えを与えすぎる印象があります。

しかし、すぐに親が答えを教えてしまうと、子どもは考える必要がなくなってしまいます。

欧米では、子どもから質問があった場合、すぐに答えは教えず子ども自身に考えさせたり、あるいは親子で一緒に考えたりします。

また、失敗するだろうとわかっていることでも、子どもの判断にあえて委ねる勇気を持っています。

自分で考えて判断し、また意見を表現するという行為は、個の存在を重要視するグローバル社会の基本です。また、子どもが自分らしい人生を追求するにも必須の力です。

③ コミュニケーション力

世界的に見ると日本を含め、アジア圏の子どもはコミュニケーションが苦手です。その理由は、多くのアジア人が「コミュニケーション力は自然に育つもの」と思い込んでいるからです。

しかし、笑顔で挨拶をする、人の話を最後まで聞くといった他人とのかかわり方はスキル(技術)であり、教えなければ身につきません。

コミュニケーション力とは「他者と信頼関係を作る力」であり、どんな社会でも活躍するには不可欠な力です。

子どものころは、まずは家庭で意識して育てていく必要があります。といっても、育て方を難しく考える必要はありません。

親子の「雑談」を増やせばいいのです。

雑談というのは目的や結論のない楽しい会話です。親との雑談が楽しければ、子どもはリクエストされずともなんでも自分から話してくれるように育ちます。

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