子どもの学力を宝の持ち腐れにしてませんか? 親が知っておくべき「正しい自信の育て方」

3つの力が環境や時代に強い子どもにする! 世界に通用する子どもの育て方 #3

バイリンガルスクールTLC for Kids代表:船津 徹

小学生からは「根拠のある自信」を育てる

小学校に入ったら、子どもが自分の努力で獲得していく「根拠のある自信」育てをしていきます。

親は、子どもが継続したトレーニングと努力で自信を勝ち取っていけるように導いてあげることが大切です。

勉強以外のことで力を注げる場を作ってあげる

「根拠のある自信」を育てる場は習い事など、勉強以外でのフィールドです。特に小学生になったら、競争の世界に参加させてあげることが重要です。

私個人としては、点数で競い合って学力向上を図るなど、学問での競争は不要と考えていますが、課外活動での競争はグローバル社会で活躍するためには必要と捉えています。

これは競争を通して、子どもが自分の「強み」に気づくためです。また、困難に立ち向かう力や敗北から立ち上がる力となる「たくましい心」を育てるためでもあります。

競争をすると負けて現実を突きつけられることもありますが、子どもの成長にとってむしろ必要な経験です。

習い事は、我が子の特性に合ったものや、親が経験したことがあるものをやってみるといいでしょう。特に後者は、親と子どもでどんなことが難しいのか、どんな努力が必要なのかといった経験を共有することができます。

また、習い事はメジャーどころでなくても構いません。ハワイならサーフィン、寒い地域に住んでいるならウインタースポーツなど地域性のあるものもおすすめですし、音楽ならパーカッションやドラムといった個性的な楽器もいいでしょう。

大切なことは、子どもが継続して取り組んだ末に自信を手にすることです。どんなことでも「特技」になれば、子どもの個性であり強みとなります。

課外活動や習い事で競争をすると負けて現実を突きつけられることもありますが、「たくましい心」が育ちます。 写真:アフロ
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大きくなっても親の愛情は必要

「根拠のない自信」と「根拠のある自信」を育てている間、親に注意してもらいたいことが1点あると船津先生は話します。

「愛情は注ぎ続けてください。幼いころにたくさんの愛情を注いだからといって、それで大丈夫ではありません。

小学生になっても必要なときはスキンシップをして、子どもの不安を取り去ってあげてください

自信は一度つけたら終わりではありません。大人でも1日の中で自信があったりなくなったりします。

子どもの気持ちはもっと上下があります。目を合わせなかったり、元気がなかったりしたら随時、愛情を表現して自信を補充してあげましょう」(船津先生)

小学生から身につける強みは、子どもは自分ではほとんど見つけることができません。最初は親や周囲の人が見つけてサポートしてあげることから始まります。

ただ、子どもが自分でそれに気づいて意識し始めると、速いスピードでレベルアップし精神的な強さを手にしていきます。自分の存在価値を心から信じているからこそ、多様な社会を乗り越えていくことができるでしょう。


次回は、「自信」のほかにグローバル社会に必要な「考える力」と「コミュニケーション力」を育てるコツを紹介します。

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船津 徹(ふなつ とおる)
バイリンガルスクールTLC for Kids代表。明治大学経営学部卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威である故・七田眞氏に師事する。その後独立して、米ハワイ州に移住。2001年ホノルルにTLC for Kidsを設立し、英語力、コミュニケーション力、論理力など、世界で活躍できるグローバル人材を育てるための独自の教育プログラムを持って指導にあたる。2020年までに5000名以上の子どもの教育に携わり、卒業生の多くが世界の難関大学に進学し、各国で活躍している。

【主な共著や監修書】
「世界標準の子育て」(ダイヤモンド社)
「世界で活躍する子の〈英語力〉の育て方」(大和書房)
「失敗に負けない『強い心』が身につく 世界標準の自己肯定感の育て方」(KADOKAWA) など


取材・文/梶原知恵

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ふなつ とおる

船津 徹

バイリンガルスクールTLC for Kids代表

明治大学経営学部卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威である故・七田眞氏に師事する。その後独立して、米ハワイ州に移住。2001年ホノルルにTLC for Kidsを設立し、英語力、コミュニケーション力、論理力など、世界で活躍できるグローバル人材を育てるための独自の教育プログラムを持って指導にあたる。2020年までに5000名以上の子どもの教育に携わり、卒業生の多くが世界の難関大学に進学し、各国で活躍している。 https://torufun.amebaownd.com/ 【主な共著や監修書】 「世界標準の子育て」(ダイヤモンド社) 「世界で活躍する子の〈英語力〉の育て方」(大和書房) 「失敗に負けない『強い心』が身につく 世界標準の自己肯定感の育て方」(KADOKAWA) など

明治大学経営学部卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威である故・七田眞氏に師事する。その後独立して、米ハワイ州に移住。2001年ホノルルにTLC for Kidsを設立し、英語力、コミュニケーション力、論理力など、世界で活躍できるグローバル人材を育てるための独自の教育プログラムを持って指導にあたる。2020年までに5000名以上の子どもの教育に携わり、卒業生の多くが世界の難関大学に進学し、各国で活躍している。 https://torufun.amebaownd.com/ 【主な共著や監修書】 「世界標準の子育て」(ダイヤモンド社) 「世界で活躍する子の〈英語力〉の育て方」(大和書房) 「失敗に負けない『強い心』が身につく 世界標準の自己肯定感の育て方」(KADOKAWA) など

かじわら ちえ

梶原 知恵

KAJIWARA CHIE
企画・編集・ライター

大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。

大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。