その「しつけ」グローバルとは真逆かも! 世界から見て「日本の子育て」ココが変!

ハワイのバイリンガルスクール校長が教える 世界に通用する子どもの育て方 #2

バイリンガルスクールTLC for Kids代表:船津 徹

何気なくやっている日本の子育てには、世界基準だと違和感を感じさせるものがあります。 写真:アフロ

グローバル性やグローバル教育が重要視されるなど、国際社会で活躍する人材が求められている昨今。

我が子が大人になるころには国際化は今よりも進んでいるため、その世界で通用する人物になってもらいたいと親御さんが思うのは当然です。

環境や時代の変化に負けないたくましい資質を持った子どもを育てるコツを、ハワイにあるバイリンガルスクールの代表であり、自身も教鞭をとっている船津徹先生に伺います(全4回の2回目、#1を読む)。

◆船津 徹(ふなつ とおる)
バイリンガルスクールTLC for Kids代表。幼児教育の権威である故・七田眞氏に師事。2001年ハワイ・ホノルルにTLC for Kidsを設立し、英語力、コミュニケーション力、論理力など、世界で活躍できるグローバル人材を育てるための独自の教育プログラムを持って指導にあたっている。2020年までに5000名以上の子どもの教育に携わり、卒業生の多くが世界の難関大学に進学し、各国で活躍している。​

世界から見たら日本の子育てのココがマズイ!?

グローバルの中心である欧米社会に入って、自己の在り方にカルチャーショックを受けるアジア圏の子は少なくありません(#1を読む)。

船津先生は日本人が文化や慣習としてあたり前のようにやっている子育てが、実は子どものグローバル性に影響を与えていることがあるといいます。

子どもが多様化する社会で臆することなく活躍できる人になるために、日本の子育てで見直したい部分にはどんなことがあるのでしょうか。

見直しポイント① あるがままの子どもを受け入れない

日本ではお店やデパートに行くと、子どもに触っちゃダメ、走っちゃダメなど「ダメ出し」をすることが多いでしょう。

しかもそれを注意するにあたっては、「お店の人に怒られるから」「周りの人に迷惑だから」など他人を引き合いに出すことが多々あります。

しかし元来、子どもは周りに迷惑をかけて成長するものです。世の中のルールを知らないのですから、失敗もします。その失敗を通して、自分の行動をコントロールすることを自分で学びます。

できないことが当たり前なのですから、もし子どもが走り回ったのなら、「◯◯は動きがダイナミックだとみんなはいうけれど、パパとママは◯◯は元気でいいと思うよ。でもね、走っていい場所と悪い場所があるんだよ」と他人を引き合いに出さず、かつダメ以外の言葉で伝えてあげてください。

周囲を気にして子どもの行動を監視・管理し、頭ごなしのダメで制止するのでは、自分の存在自体が否定されたと子どもは勘違いしてしまいます。

一方、あるがままの子どもを親が受け入れつつ説明を加えて注意すると、今の自分でいいけれど、自由に振る舞ってダメなときもあるといった自尊感情(自己肯定感)が形成されます。

自己肯定感の高い子どもは、揺るがない芯を持ち自分に自信があるため、変化する時代に対応できる「チャレンジ精神」や「楽観性」などの源を手にできるでしょう。

見直しポイント② 謙遜しすぎる

日本では「うちの子、◯◯が得意で本当に上手なの!」なんて人前でいうと、気まずい空気が流れたりします。

日本の親御さんは周囲からのマイナスの圧力を避けるために、「うちの子は◯◯が得意なんて到底いえないレベルで……」と、謙遜して自分の子どもを低く見せることをやりたがりますが、子どもからしたらこの慣習はネガティブなことでしかありません。

米国ではこういった場合、ポジティブな反応が行き交います。例えば「うちの子すごいのよ! でも、あなたの子も◯◯がすごいよね」という具合です。

子どもになにかできないことがあったり、不得意なことがあったりしても、とても前向きです。△△はできないけど□□できると変換させてしまいます。

私は親がポジティブになっていくと周囲も明るくなり、子どもものびのびして、活躍しやすい環境になると感じています。

また、得意やできることに目を向けていくと子どもの自信を育てることができ、これが国際化する社会で渡り歩ける力になると確信しています。

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