親子で水族館なら必見! 「水族館」が絶対に楽しくなる究極の回り方

サカナに特化した本屋「SAKANA BOOKS」が教える水族館のヒミツ#2 水族館の楽しみ方と子どもにおすすめの魚の本

ライター:星野 早百合

子どもにおすすめのサカナの本3選

絵本や児童書、図鑑など、子ども向けのサカナの本も充実している「SAKANA BOOKS」。水族館に行く前・行った後にも読みたい、子どもにおすすめのサカナの本をセレクトしていただきました。子育て中の大久保さん&船津さんのパパ目線も要チェックです。

大久保さん 未就学児への読み聞かせにおすすめなのが、『ちんあなごのちんちんでんしゃ』。チンアナゴを乗せたちんちん電車がゆったりと海の中を走る、まるでチンアナゴの日常を覗き見ているかのようなストーリーです。

途中、エイやダイオウイカ、リュウグウノツカイなど、さまざまな生きものたちに出会います。「海にはいろいろな生きものが住んでいるんだよ」と、かわいいイラストから、海に生きる生物の多様性を楽しく感じられる絵本です。

船津さん 私には2歳の息子がいるのですが、“チンチン♪”という電車のベルの音の響きが好きなようで、読んであげるとテンションが上がります。ひとりで絵本を読めるようになる、4~5歳のお子さんでも楽しめると思いますよ。

『ちんあなごのちんちんでんしゃ』(作:大塚健太、絵:くさかみなこ/講談社)。

大久保さん イルカ好きなお子さんには、『いるかはさかなじゃないんだよ。』。主人公の男の子・ゆうじは、水族館のイルカショーを観て、イルカがサカナではなく、人間と同じほ乳類だと知ります。お父さんと水族館をまわりながら、そこにいる生きものについて繰り広げる会話が楽しい一冊です。

船津さん ほ乳類と魚類の違いを言葉にして教えるのは、意外と難しいですよね。お父さん、頑張ってます(笑)。

大久保さん 生物について学校で学ぶのは小学校中学年以降だと思いますが、それを意識するきっかけになるかもしれませんね。

『いるかはさかなじゃないんだよ。』(文:平田昌広、絵:平田 景/朔北社)。

船津さん 写真で展開する絵本なら『ジンベエザメのはこびかた』がおすすめです。世界一大きな魚・ジンベエザメを、高知の海から大阪の水族館「海遊館」に運び入れたときの実話をベースにしています。

大久保さん 水族館の中で“生きものの運搬”は、とても大事な仕事。1トンを越えるジンベエザメをどうやって約460kmも運ぶことができたのか。

そこにあったたくさんの苦労と水族館の裏側を知れる、大人が読んでもおもしろい一冊です。お仕事本としても楽しいですし、重機が出てくるので、重機が好きなお子さんも喜ぶと思いますよ。

『ジンベエザメのはこびかた』(写真:松橋利光、文:高岡昌江、絵:宮野耕治/ほるぷ出版)。

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サカナたちが優雅に泳ぐ姿は涼やかで、夏のおでかけにもぴったりの水族館。これまでも大好きだった水族館ですが、新たな知識や価値観が加わると、また違った目線で楽しむことができそうです。

取材・文/星野早百合

水族館で働く人から、生きものの採集や建築設計、音楽などで水族館をつくる人、水族館をテーマに創作活動を行う人まで。水族館に携わる15人の“水族館人”に、さまざまな角度から話を聞いた『水族館人 今まで見てきた景色が変わる15のストーリー』(SAKANA BOOKS/文化工房)。水族館ファンを中心としながら幅広い層に好評を博し、今夏(2023年)の重版が決定! 水族館の魅力にあふれた一冊です。

●SAKANA BOOKS(サカナブックス)

クラウドファンディングで資金を募り、2022年7月にオープンしたサカナ特化型の小さな本屋。サカナをはじめとした水生生物、それらが住む自然環境に関する書籍や図鑑から、サカナが登場する絵本や児童書、文芸、レシピ本、ZINEまで、ジャンルレスに1200冊以上ラインナップ。雑貨や水産加工品の販売も。

【DATA】
東京都新宿区愛住町18‐7(株式会社週刊つりニュース1階)
営業時間/12:00~17:30
定休日/木曜・金曜(その他、臨時休業あり)

【URL】
SAKANA BOOKS(サカナブックス)

「SAKANA BOOKS」の入り口(右)と店内(左)  撮影:星野早百合
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ほしの さゆり

星野 早百合

ライター

編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。

編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。