親子でふしぎ発見!知ると目が離せない「身近な草花の世界」が楽しい!

いつもの散歩が100倍楽しくなる「親子でおさんぽ自然観察」#1〜草花編〜

NPO法人 自然観察大学

ハルジオンとよく似ているヒメジョオン

ヒメジョオンは1mほどの茎を伸ばし、その先に白くて可愛らしい花を咲かせます。  写真提供:自然観察大学/大野透

ヒメジョオンは、4〜5月に咲くハルジオンととてもよく似ています。しかしこちらは、ハルジオンよりも少し遅れて、5〜7月に花が咲きます。

ちなみに、ハルジオンとの見分け方は、茎の中とつぼみのときの様子。ハルジオンは、茎の中が空洞で、つぼみのときはうなだれていますが、ヒメジョオンの茎の中は詰まっていて、つぼみのときもピンと上を向いています。どちらか迷ったら、お子さんと一緒に茎を折って見てみると答え合わせができます。

左がハルジオン、右がヒメジョオン。  写真提供:自然観察大学/大野透

(基本情報)
分類:キク科ムカシヨモギ属
大きさ:草丈60〜120cm、花の大きさ(頭花)2cm
見られる時期:5〜7月 ※数は少なくなりますが、秋にも花が咲きます。
見られる場所:道ばた、空き地、野原など

【観察ポイント】ヒメジョオンの花も 小さな花の集まり

ヒメジョオンの頭花。①は舌状花、②は管状花です。  写真提供:自然観察大学/大野透

タンポポ同様、ヒメジョオンの花も1つの花ではなく、複数の花が集まってできた頭花です。ただし、タンポポは舌状花のみでしたが、ヒメジョオンは舌状花と、管状花(かんじょうか)の集まりです。舌状花はその名の通り、舌のように広がっている形をしており、管状花は筒状の形(筒状花とも言う)をしています。

【遊びアイデア】お花で楽しくクッキング♪ 「ヒメジョオンの目玉焼き、シュウマイ、餃子」

左から、花の目玉焼き、つぼみのシュウマイ、つぼみの餃子です。  写真提供:自然観察大学/飯島和子

ヒメジョオンは、成長過程によって様々な形を楽しめる植物。ヒメジョオンの花の形は目玉焼き、つぼみは真上から見ればシュウマイ、横から見れば餃子に似ています。咲いている花と、つぼみを集めて、おままごとをするのも楽しいでしょう。

集めたお花でレストランを開店! さぁ、何から食べようかな?

お花は左上から時計回りに、セイヨウタンポポ、カラスノエンドウ(赤紫色の花)、ヒメオドリコソウ(薄いピンクの花)、ハルジオン(白い花)、ヘビイチゴの花(黄色)と若い実(オレンジ)、オオイヌノフグリ(青い小さな花)。お皿はエゾノギシギシの葉。  写真提供:自然観察大学/飯島和子

観察していくつかの花を摘んだら、それらを集めてお花のレストランを開店しましょう。集めた花を大きな葉っぱにのせれば、可愛いらしいお花の料理が完成! 時期によって見られる花が変わるので、季節ごとにメニューを変えて楽しみましょう。

近寄って見たり、少し離れて見たり、様々に観察してみよう

草花は、距離を変えて観察してみるのがおすすめ。今回紹介したように、近くで観察すれば、花のつくりの違いを知ることができたり、少し離れて、周辺も含めて自然観察すれば、周りの草花と共存しながら育っている様子を見られたりすることも。

もちろん、今回紹介した草花以外にも、お気に入りの草花が見つかったら、ぜひその姿をじっくり観察してみてください。「変わった花の形をしているね」「この花にはアリさんがたくさんいるね」など、たくさんの面白い発見ができるはずですよ。

参考書籍『子どもと一緒に見つける 草花さんぽ図鑑』

『子どもと一緒に見つける 草花さんぽ図鑑』(監修:NPO法人 自然観察大学/永岡書店)

道ばたや公園、駐車場、線路脇など、身近な場所で見つけやすい草花を196種掲載! 特徴や観察ポイントをカラー写真&可愛いイラストで紹介しています。

参考書籍『季節の生きもの観察手帖: 自然を楽しむ二十四節気・七十二候』

『季節の生きもの観察手帖: 自然を楽しむ二十四節気・七十二候』(企画・編集:NPO法人 自然観察大学/全国農村教育協会)。

草・木・鳥・虫など、季節の自然・生き物について、二十四節気ごとにおすすめの観察テーマを紹介。二十四節気をさらに約5日ずつに分けた七十二候では、日々の観察記録を掲載しています。観察記録を書き込むことができるので、自分だけの観察手帖づくりを楽しめる一冊です。

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続く第2回では、「街中で見られる虫」をテーマに観察のポイントをご紹介します。

取材・文/阿部雅美

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NPO法人 自然観察大学

自然観察大学は“楽しみながら自然観察の視点を身につけよう”という目的のNPO法人。野外観察図鑑「校庭シリーズ」などの著者らが講師を勤める観察会で、参加したみなさんと一緒に楽しみながら、幅広く自然観察を勉強しようという活動を行っています。定期開催している観察会では、草花や虫などさまざまな分野に精通する約10名の講師が同行し、各専門分野の観察ポイントや話題を提供しています。 著書に『子どもと一緒に見つける草花さんぽ図鑑』『子どもと一緒に見つける身近な生きものさんぽ図鑑』(永岡書店 ※監修)、『季節の生きもの観察手帖 自然を楽しむ二十四節気・七十二候』(全国農村教育協会)など。 NPO法人 自然観察大学公式HP https://sizenkansatu.org/

自然観察大学は“楽しみながら自然観察の視点を身につけよう”という目的のNPO法人。野外観察図鑑「校庭シリーズ」などの著者らが講師を勤める観察会で、参加したみなさんと一緒に楽しみながら、幅広く自然観察を勉強しようという活動を行っています。定期開催している観察会では、草花や虫などさまざまな分野に精通する約10名の講師が同行し、各専門分野の観察ポイントや話題を提供しています。 著書に『子どもと一緒に見つける草花さんぽ図鑑』『子どもと一緒に見つける身近な生きものさんぽ図鑑』(永岡書店 ※監修)、『季節の生きもの観察手帖 自然を楽しむ二十四節気・七十二候』(全国農村教育協会)など。 NPO法人 自然観察大学公式HP https://sizenkansatu.org/