おもちゃのプロに聞いた! 0〜6歳の<年齢別・発達別>知育玩具の選び方
おもちゃコンサルタント・平野美由紀さん(DocSpiel) 子どもが伸びる「知育玩具」【後編】 0〜6歳<年齢別・発達別>知育玩具の選び方
2021.07.07
知育玩具選びのポイントは「今使えて最低5年以上使えるもの」。第1回の記事でこのように教えてくれたおもちゃコンサルタントの平野美由紀さん。
➡第1回「最新・知育玩具の選び方」を読む
しかしその「今」はいつなのか、発達には個人差があるため、対象年齢の表記だけでは判断がつきにくく、迷ってしまうことがあります。そこで今回は月齢や年齢だけでなく、自宅で簡単にわかる子どもの手指の発達段階や、子どもの興味・関心を目安に、おすすめの知育玩具をお聞きしました。
変化が大きい0歳児は成長にそって“心地よい音と肌触り”を重視
赤ちゃんは、モノを口に入れる体験から「認識」を深めます。口に入れても安心な、安全に配慮した素材のおもちゃを選ぶことは大前提ですが、さらに成長に応じたふさわしいものがある、と平野さんは言います。
「自分の手を確認するハンドリガードをし始めたら(月齢目安:生後1ヵ月半頃)、『ベビージム・ムジーナ』がおすすめ。音に癒されるため、生まれてすぐからでも使えますが、ハンドリガードが始まると、自分でおもちゃをさわろうと上に手を伸ばします。この動作が赤ちゃんに必要な筋肉を育てます。
うつぶせで遊ぶようになったら(月齢目安:生後6ヵ月頃)、『カラームカデ』。大人がムカデをゆっくり引っぱると、目で追う、追視が始まります。すると赤ちゃんは徐々に手を伸ばしてくるので、ハイハイをうながすことができます。ハイハイは2歳頃になって歩き始め転んだときに、自分の体を支える手を出す準備となる、大切な成長過程です。ハイハイ→ひとり座り→つかまり立ちの順番で成長をみてあげましょう。
ティッシュを出す遊びを始めたら(月齢目安:生後8ヵ月頃)、『Mポストボックス』の出番です。ふたの開閉や音遊び、型はめのおもちゃです。最初は型の中にハンカチを入れておくと、ティッシュを出すようにして遊びます。この箱が赤ちゃんにとっては宝箱となり、中にいろんなものを入れて遊ぶようになります」(平野さん)
観察が遊びにつながる1〜2歳はおもちゃで疑似体験
1〜2歳は身の回りの世界に興味をもつ大切な時期。自分も周囲と同じようにやってみたいという気持ちが出てくるので、それをかなえられるおもちゃが必要と話す平野さん。また、前回(#1)にお伝えした「子どもの居場所作り」も1歳から始めるのがベストと言います。
「お子さんがリビングテーブルの物を落として遊びだしたら、ままごとキッチンとしても使える『マルチテーブル』を用意しましょう。隣におもちゃ棚を設置すれば、子どもの居場所の完成。ガスコンロの部分を外すと穴があくので、1歳頃のお子さんは、積み木などを穴から落とす遊びを繰り返します。ままごと遊びでは、お母さんの疑似体験もできますね。
見立て遊びを始めたら、さらに積み木が活躍します。並べる、積む、崩すという単純な動作から、徐々に電車や車、電話などの見立て遊びの道具として活躍し、想像力を育みます。大人の手で、大人の身長まで積める精度があるものが良質な積み木の基本条件です。
ボールペンをさわり始めたら、自分も書いてみたいという合図です。クレヨンとスケッチブック2冊(子ども+パパ・ママ用)を用意しましょう。『シュトックマークレヨン』は口に入れても安全な蜜ろうクレヨン。ベタつかず、カスがでにくいので掃除は不要です。折れにくいので長く使えるのもポイントです」(平野さん)