『怪盗クイーン』は「夢水清志郎」から誕生? 元教師の人気作家はやみねかおるの世界
『怪盗クイーン』シリーズ著者・はやみねかおる先生インタビュー 後編
2022.06.18
――これまでに『怪盗クイーン』シリーズは、エピソード0も入れると16作が刊行されていますが、作品のファンとしては、この先が気になるところです。
はやみね先生:『怪盗クイーン』の物語は、まだまだ書かないといけません。というのも、私は7年後の引退までに、今まで書いてきたいろいろな作品で張っている伏線を回収し、集約していかなければならないんです。本当に、どんどん回収していかないといけない時期に来ています(笑)。
子どもも大人も、それぞれの生活の中にある楽しみを見つけられるはず
――『怪盗クイーン』シリーズを書き続けてよかったなと思うのは、どんなときですか?
はやみね先生:やっぱり、子どもたちが読んで「面白い!」と言ってくれるのがいちばん嬉しいですね。中にはかなり分厚い作品もありますが、投げ出すこともなく、ずっとついてきてくれる読者の方には感謝しかありません。
今では大きなお友だち(大人)になった読者の方もいて、ありがたいかぎりです。その結果、こうして劇場アニメ化というご褒美までいただけて。
執筆中に悩んだりすることもありますが、小説を書くのはやっぱり楽しいですし、皆さんからの声が本当に励みになっています。
――『怪盗クイーン』シリーズを通して、はやみねさんが子どもたちに届けたいのはどんな想いでしょうか?
はやみね先生:最初のころに「人生に大切なのは、C調(調子がいいこと)と遊び心」だとよく書いていましたが、自分が58歳になった今、本当にそうだなと実感しています。
「人生は楽しまないともったいない」と思いますし、子どもたちが大人を見て「人生つまらないな。大きくなりたくないな」と思うような世の中にしてはいけない。
ですからクイーンたちがああやって大騒動するのを読み、子どもたちに「人生って面白いし、大人になるって楽しそう!」と、少しでも感じてもらえたらいいなと思っています。
人にはそれぞれの生活がありますが、どんな生活を送っていても、その中になにかしら楽しみを見つけられると思うんです。私たち大人も、人生の楽しみ方を忘れてはいけないなと思います。
はやみね先生、ありがとうございました。
取材・文/木下千寿
劇場アニメ『怪盗クイーンはサーカスがお好き』
2022年6月17日(金)全国ロードショー
映画『怪盗クイーン』公式サイト
https://miragequeen.jp/
劇場アニメ『怪盗クイーンはサーカスがお好き』本予告【2022年6月17日(金)公開!】
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はやみね かおる
1964年、三重県に生まれる。三重大学教育学部を卒業後、小学校の教師となり、クラスの本ぎらいの子どもたちを夢中にさせる本をさがすうちに、みずから書きはじめる。「怪盗道化師」で第30回講談社児童文学新人賞に入選。 「名探偵夢水清志郎事件ノート」「怪盗クイーン」「都会のトム&ソーヤ」「少年名探偵虹北恭助の冒険」などのシリーズのほか、『バイバイ スクール』『オタカラウォーズ』『ぼくと未来屋の夏』『令夢の世界はスリップする』(以上、すべて講談社)『モナミシリーズ』(角川つばさ文庫)『奇譚ルーム』(朝日新聞出版)などの作品がある。 子ども自身が選ぶ、うつのみやこども賞を4回受賞。漫画版「名探偵夢水清志郎事件ノート」(原作/はやみねかおる、漫画/えぬえけい 講談社)で第33回講談社漫画賞(児童部門)受賞。第61回野間児童文芸賞特別賞受賞。
1964年、三重県に生まれる。三重大学教育学部を卒業後、小学校の教師となり、クラスの本ぎらいの子どもたちを夢中にさせる本をさがすうちに、みずから書きはじめる。「怪盗道化師」で第30回講談社児童文学新人賞に入選。 「名探偵夢水清志郎事件ノート」「怪盗クイーン」「都会のトム&ソーヤ」「少年名探偵虹北恭助の冒険」などのシリーズのほか、『バイバイ スクール』『オタカラウォーズ』『ぼくと未来屋の夏』『令夢の世界はスリップする』(以上、すべて講談社)『モナミシリーズ』(角川つばさ文庫)『奇譚ルーム』(朝日新聞出版)などの作品がある。 子ども自身が選ぶ、うつのみやこども賞を4回受賞。漫画版「名探偵夢水清志郎事件ノート」(原作/はやみねかおる、漫画/えぬえけい 講談社)で第33回講談社漫画賞(児童部門)受賞。第61回野間児童文芸賞特別賞受賞。