「百日ぜき」ワクチンの効果は3~5年!? 追加接種のタイミングを小児科専門医が解説

「百日ぜき」 #2 ワクチンと追加接種の考え方

小児科専門医・アレルギー専門医:岡本 光宏

追加接種のタイミングとかかる費用

──ワクチンの追加接種について、推奨されるタイミングを教えてください。

岡本先生:まず、小学校入学前の5~7歳のお子さんですが、この年齢では、法定の定期接種として麻しん風しん混合(MR)〈第2期〉があります。ところが百日ぜき(DPT)やポリオ(IPV)の追加接種は定期スケジュールに入っていません。そこで日本小児科学会は、次のいずれかを任意接種で1回追加するよう勧めています。

1.4種種混合(DPT-IPV)を1回

2.3種混合(DPT)+IPVを各1回

費用は医療機関によって異なりますが、DPTが3,000~6,000円、IPVが7,000~10,000円ほどが目安です。自治体によっては助成制度もあるので、確認してみてください。

写真:maroke/イメージマート
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──小学校高学年の11~12歳の追加についてはどうでしょうか?

岡本先生:この年代では、定期接種として2種混合DT(ジフテリアと破傷風のワクチン)を打ちますが、ここにも百日ぜきは含まれていません。

そこで学会では「DT」を百日ぜきを含む3種混合(DPT)に置き換えるという方向性を提案しています。

こちらも任意接種なので自費になり、各医療機関によって金額が異なりますが、前述のとおり、DPTでおおよそ3,000~6,000 円が相場です。気になる方は、接種前にかかりつけで相談してみてください。

※保護者や成人家族の百日ぜきワクチン接種は、現在定期接種の対象ではありません。任意接種を検討する場合は、かかりつけ医にご相談ください。

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