子どものコロナ感染拡げない 専門家が「除菌」のコツを伝授

今、本当に一人ひとりに必要な新型コロナ対策とは?

「必ず手洗いしてほしいのは外で遊んだあと、トイレのあと、つばや鼻水を触ったとき、掃除のあと、ごはんの前などです。

さらに、ドアノブなどみんなが触るものに触ったときの手洗いを意識することが大切です」(武藤先生)

手洗いに加えて、アルコール消毒も有効だと言います。

「新型コロナのウイルスは皮膚の上で最長8時間生きますが、アルコール消毒をすると一瞬で消失します。

しかし、アルコールが効かないバイ菌やウイルスもいるので、流水と石鹸を使ったていねいな手洗いによって物理的に落とすことも重要です。目に見える汚れがあるときは手洗いをし、ポイントポイントで手軽なアルコール消毒を行いましょう」(武藤先生)

みんなが使うモノをきれいにしておく

接触感染の対策は、手についたウイルスを除去することに加え、手にウイルスがつくのを未然に防ぐことが重要です。それはつまり、みんなが使うモノをいつもきれいにしておくことです。

例えば、ドアノブ、スイッチ、水道の蛇口、手すり、テーブルなど。学校なら黒板消しやみんなで使う楽器や掃除用具も常にキレイにしておきたいところです。

みんなで使うものをキレイにしておくと、感染症対策になる。  大王製紙株式会社発行「思いやり除菌」プロジェクトパンフレットより抜粋

武藤先生は、キレイにするコツも教えてくれました。

「キレイにするためには拭き取りが基本です。除菌ウエットティシューが使い勝手がよく、効果的です。ただし、市販製品には性能に差があるので注意が必要です。

アルコールなどの成分で菌やウイルスをきちんと除去できる表示があるもの、可能なら70%以上のアルコール濃度のものをおすすめします。

拭き取りの際に気をつけてほしいのは、“一方向拭き”で拭き取ること。一度拭いたところを戻って拭く“往復拭き”だとせっかく拭き取った菌やウイルスをまた戻してしまうからです。

これは子どもにお掃除をさせるときにはきちんと教えてあげたいポイントです」(武藤先生)

汚れを見える化した画像。左が一方吹きで、真ん中が元々の汚れ、右が往復吹きです。一方拭きと比べて、往復拭きでは十分に汚れが拭き取れていないことがわかります。

「感染しない」よりも「感染を拡げないこと」

新型コロナは治せる病気になりました。治せる病気の感染対策は「感染しない」ではなく「感染を拡げないこと」だと武藤先生は強調します。先生が提唱する“感染させないぞ生活”のポイントは次のとおりです。

”感染させないぞ”生活

・何らかの症状が出たら休むのが鉄則。休まず来る方が良くない。

・感染していても、他の人にうつしていないと胸を張って言える生活を送る。

・家族に症状があれば、7〜10日間くらいは特に注意をした生活を意識する。

最後に、いちばん大事なのは「感染対策を継続すること」だと話します。

「どんなに強力な対策も続けなければ意味がありません。ゆるくてもいい、60点でもいいから必ず続けること。感染対策は短距離走ではなく、マラソンです。毎日続けられる感染対策を意識してみてください」(武藤先生)

(プロフィール)
武藤 義和(むとう よしかず) 公立陶生病院 感染症専門医。岐阜県出身。公立陶生病院、大垣市民病院での研修を経て、呼吸器内科専門医を取得。国立国際医療研究センター総合感染症コースにて国際感染症、HIV、結核、感染対策に至るまで幅広く研鑽を積む。タイ・Mahidol大学にて熱帯感染症の資格を取得。現在は公立陶生病院感染症内科主任部長として勤務。著書に『新型コロナウイルスに対する学校の感染対策』(丸善出版)などがある。

「思いやり除菌」プロジェクトとは

人と人との触れ合いがあふれる学校・社会を目指す「思いやり除菌」プロジェクトがスタート。

「エリエール」ブランドで知られる大王製紙は、大切な誰かを思いやって除菌することで誰もが安心して触れ合える学校・社会を目指す「思いやり除菌」プロジェクトを始動しました。

全国の小学校に、子どもたちが実践できる学校での感染症対策と「思いやり除菌」を学べる教材一式、『エリエール 除菌できるアルコールタオル ウイルス除去用』+つめかえ用を提供します。

学校や家庭でできる感染症予防のお役立ち情報と資料はこちらから。

「思いやり除菌」ホームページ
https://www.elleair.jp/omoiyari-jokin

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