「夜泣き」に怯えるパパママに朗報! 子どもの「ねんねトラブル」対策あれこれ 〔東大医学部卒医師ママ〕が伝授!

東大医学部卒医師・もりたま先生に聞く、「子どものねんねトラブル」 #3 ~夜泣き編~

医師・小児スリープコンサルタント:森田 麻里子

子どもが寝たら ママも一緒に寝てしまう

それでもどうしても、子どもの夜泣きというのは回避できないもの。ようやく寝かしつけたと思ったのに数時間後また起きて対応しなければならず、ママはとっても眠くて眠くてつらいですよね……。子どもたちの寝かしつけで悩む親たちは、結局自分たちの睡眠時間が削られることに精神的な辛さを感じています。

「ママが寝られない状態が続くと、精神衛生上とっても良くないですよね。寝かしつけを頑張った後にもう一度ベッドから起き上がって、家事を終わらせなければいけない、なんてこともあると思います。子どもの睡眠サイクルを知って、それに合わせて効率良く質の良い睡眠を取ることが大事です。

睡眠の前半は眠りが深い時間なので、この時間帯は起きない子が多い。頻繁に起きたり、夜泣きをする子でも、起きるのはだいたい夜中の12時過ぎ。だからママが子どもを寝かして12時ぐらいに寝ると、ちょうど深い眠りに入るタイミングで夜中に起こされてしまうからしんどくなる。

ですから、子どもが寝たタイミングでママも一緒に寝てしまうんです。そうすると、夜泣きで起こされたとしても一緒に深い睡眠を3時間まとめて取れることになるので少しは体が楽になると思います」
(もりたま先生)

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そうは言っても、子どもが寝た後にようやく一人の時間が取れる、というママもたくさんいます。

「もちろん、多少睡眠を削っても、一人時間でリラックスすることで明日から頑張れるという方もいると思うので、精神的な健康を考えればいいと思います。

でも、毎日のように『子どもが寝たからちょっとドラマ見よう』なんて起きていると、身体がしんどいかもしれません。いつも子どもと一緒に寝ているけれど、今日はちょっと一人時間を作ろうかなというように、うまくバランスを取りながら、質が良く、深い睡眠を確保してほしいですね」
(もりたま先生)

また、意図せず寝かしつけとともに寝落ちしてしまい、日付が回ってから起きてきて残った家事をしている……なんて方もいるのでは?

「一度起きてからあまり活発に活動してしまうと、そこからどうしても寝つけなくなり、朝方にやっと寝られたと思ったところでまた子どもに起こされる、なんていうことも。

なかなか難しいとは思うのですが、寝落ちして途中で目が覚めたとしても、サッと歯磨きするぐらいにして、お皿の片付けなどは思い切って翌朝に持ち越しましょう」
(もりたま先生)

「寝かしつけ」はママ担当 「夜泣き」はパパ担当

写真:mon_printemps_fleuri/イメージマート

ママの睡眠確保のためには、寝かしつけはママ担当、夜泣きはパパ担当、などと分担するのもひとつの手。

「寝かしつけに母乳での授乳がないというご家庭はパパの出番です。夜泣きには介入しすぎない、ということを共通意識として持って、ママも『子どもが泣き止まないでかわいそう』と思わず、完全にパパに任せてしまいましょう。

パパも泣いている子をなんとか最後は眠らせるところまで面倒を見るということを早い段階で体験できますし、その後の子育てにおいてもお互いに協力し合えて、やりやすくなるはずです。

パパの寝かしつけがどうしても気になる! という場合は、思い切ってママが外泊しちゃいましょう! ママの姿がなければパパもどうにか頑張りますから!」
(もりたま先生)

子どもの夜泣きに立ち向かうには、大人の睡眠時間の確保も大事。ママの睡眠時間確保が喫緊の課題になる前に、協力して対応できると良いですね。

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次回・最終回は、「朝起きるのが早すぎる」や「なかなか起きない」などの、寝起きに関するお悩みについて。子どもの寝起きには、◯◯が関係していた!? 引き続き、もりたま先生にお話を伺います。

取材・文/遠藤るりこ
撮影/神谷美寛

森田麻里子先生による「ねんねトラブル」は全4回。
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(※4回目は公開日までリンク無効)

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もりた まりこ

森田 麻里子

医師・小児スリープコンサルタント

Child Health Laboratory代表。1987年、東京都生まれ。東京大学医学部医学科卒業。2017年に長男、2020年に次男を出産。長男の夜泣きに悩んだことから、睡眠についての医学研究を徹底的に調査。赤ちゃんの睡眠と健康をサポートする「Child Health Laboratory」を設立。最新著書『子育てで眠れないあなたに 夜泣きドクターと睡眠専門ドクターが教える細切れ睡眠対策』(共著:伊田瞳/KADOKAWA)のほか、『医者が教える赤ちゃん快眠メソッド』(ダイヤモンド社)、『東大医学部卒ママ医師が伝える科学的に正しい子育て』(光文社新書)が発売中。 「Child Health Laboratory」  https://child.healthlabs.jp/

Child Health Laboratory代表。1987年、東京都生まれ。東京大学医学部医学科卒業。2017年に長男、2020年に次男を出産。長男の夜泣きに悩んだことから、睡眠についての医学研究を徹底的に調査。赤ちゃんの睡眠と健康をサポートする「Child Health Laboratory」を設立。最新著書『子育てで眠れないあなたに 夜泣きドクターと睡眠専門ドクターが教える細切れ睡眠対策』(共著:伊田瞳/KADOKAWA)のほか、『医者が教える赤ちゃん快眠メソッド』(ダイヤモンド社)、『東大医学部卒ママ医師が伝える科学的に正しい子育て』(光文社新書)が発売中。 「Child Health Laboratory」  https://child.healthlabs.jp/