
生後5~6ヵ月から始めることが多い離乳食。おかゆや野菜のペーストなど赤ちゃんが食べるものは、固形物を刻んだり、やわらかく煮込んだりと、子どもの成長に応じて食べやすい形状にする必要があります。離乳食作りをラクにする家電とは、どんなものがあるのでしょうか?
「離乳食作りに適した調理家電は、フードプロセッサー、ハンドブレンダー、電気調理(圧力)鍋です。
まず、刻む作業でいえば、フードプロセッサーがとても便利。包丁で細かく刻む作業は人間の手だと数分はかかりますが、フードプロセッサーならわずか十数秒で終わります。肉のミンチなどもできるので、離乳食卒業後もハンバーグや餃子づくりなど、幅広く使えます。
鍋で煮込んだ野菜をつぶす作業は、ハンドブレンダーが最適。これがあれば、鍋から食材を取り出してつぶしたり、ミキサーに移したりする手間がなく、鍋の中で作業が完結します。こちらも離乳食後、ポタージュづくりをはじめ日常的な料理の下ごしらえに重宝します。
さらに今は、煮込みからつぶしまで、自動で行う電気調理器も増えています。こちらもとろとろのポタージュなどをほったらかしで調理できるので、子どもの世話の合間にサッとセットしておくだけでOK。
野菜をやわらかく煮込む電気圧力鍋も離乳食から普段のおかず作りまで、長く使えて便利ですね」(家電ライター田中真紀子さん・以下同)
ただ、フードプロセッサーやハンドブレンダーは「刃など洗いにくい部品が多い」といった懸念も……。
「確かに部品によっては洗いづらく、食洗機に対応していない製品も多いですが、中には、洗いやすいように工夫されている製品もあります。
ですが、これらの商品の多くには、『洗いづらい』といったデメリットを上回るメリットがあります。離乳食から普段の料理まで、調理の負担を大幅に軽減してくれますから」
では、田中さんのおすすめの離乳食家電BEST3とは? 離乳食卒業後も、長く使い続けられる3製品を教えてもらいました。
沸騰させて人肌に冷ますが基本
赤ちゃん用の粉ミルクは、温度の管理や調節がとても大事。多くの粉ミルクメーカーでは一度沸騰させてから少し冷ました70℃以上のお湯で作ることが推奨されています。
70℃以上のお湯で粉ミルクを溶かした後は、赤ちゃんがやけどをしないように、36℃前後の人肌まで冷ましてから飲ませます。一度沸騰させるのは、水道水に含まれるカルキを取り除くため。70℃以上の状態で粉ミルクを入れるのは、粉ミルクに含まれる菌を殺菌するためです。
この「70℃あたりまで冷まして保温」を、正確かつ手軽にしてくれるのが、「電気ポット・電気ケトル」です。
ミルク作りに適した70℃の保温機能
「電気ポットや電気ケトルの最大のメリットは、キッチンに移動することなく、リビングや赤ちゃんの部屋など、使いたい場所でお湯が作れること。
なお、両者の違いは、お湯を沸かしてそのまま保温状態をキープし、飲みたいときにすぐ飲めるのが電気ポット、カップ1杯分など、必要なときに必要な分量のお湯をすばやく沸かせるのが電気ケトルです。
今は、事前に温度設定をすれば、沸騰後はその温度をキープできる製品も増えています。例えば電気ポットの場合、100℃に沸騰させた後、調乳用に70℃で保温できればミルク作りに便利ですよね。
電気ケトルの場合も、現在の温度が表示されるものであれば、沸騰後に70℃に下がるまで放置することもできますし、中には、沸騰後、設定温度に下げてくれる製品もあります」(田中さん・以下同)
いずれにしても面倒な温度管理がお任せできるなら、ママパパのタスクが減って助かります。
「ただし、電気ポット・電気ケトルいずれも熱湯を扱うので、乳幼児のいる家庭では、転倒時に湯が漏れにくいか、表面が熱くならないか、蒸気が出にくいかなど、安全性に配慮されているものを選ぶことが大切です。さらに使い勝手の良さ、衛生面への配慮などを検討しましょう」
それらの機能性をふまえ、田中さんがおすすめの電気ポット・電気ケトルを3点挙げてもらいました。