気楽に子連れワーケーション! まず場所を変える・低予算・仕事は半分
親子deワーケーション主宰・児玉真悠子さん「子連れワーケーションのはじめ方」#3
2022.04.11
ワーケーションコンシェルジュ:児玉 真悠子
仕事も育児もあきめない多様な働き方ができる世の中に
2020年12月〜翌1月に調査された観光庁による「ワーケーション、ブレジャーの活用実態に関する調査」(※1)によると、ワーケーションの認知度は約80%と高いものの、その実施率は4.3%にすぎません。
※1=ワーケーション、ブレジャーの活用実態に関する調査
コロナの影響で、ワーケーションに興味を示す会社員も増えましたが「まだまだ実験段階の市場です」と児玉さんは話します。
児玉さんが起業した株式会社ソトエでは、初年度に、新潟県湯沢町や糸魚川市での「親子deワーケーション」企画を実施しました。
湯沢町では、初夏から秋までのグリーンシーズンの集客拡大を目指し、現地のリゾートマンション運営者と協力して2021年夏にモニター企画を実施。その結果をふまえて、今後、本格的にプロモーションをかけていく予定です。
糸魚川市は、世界的に貴重な地質や地形を有し、日本で初めて「世界ジオパーク」に認定された町。その特徴を最大限に活かし、夏休み期間に『図鑑好きの子ども』を集めたツアーを企画したり、市役所と教育委員会と連携し1週間の体験入学付きのモニターツアーを開催しました。
今後、糸魚川市では、子連れワーケーション中に子どもが市内の小学校に通える「シー・ユー・アゲイン・プロジェクト」(※2)が始動します。
※2=シー・ユー・アゲイン・プロジェクト「糸魚川親子ワーケーション」パンフレットより
特徴的なのは、年に3回、1・2・3学期毎に約1週間づつ同じ小学校に通えること。「また会おうね」と約束できる、継続的な関係性を築くことを目的としています。
今後も、こうした地方の学校で体験入学を絡めたスタイルを広めていくことが児玉さんの目標です。
気になる方は随時、『親子deワーケーション』HPや、児玉さんのTwitterで最新情報をチェックしてみてください。
「湯沢町では、川で魚のつかみ取りを体験したのですが、うちの娘が群を抜いて上手くて。『そんな特技あったの!?』ってビックリしました(笑)。
こういうマニアックなスキルって、東京で暮らしていたらなかなか発見できない。学校や習い事は、テストの点数や、間違わずにピアノを弾けるかなど、ある程度評価軸が固定されていますよね。
でも、そういった軸で評価されない子が、もしかしたら自然体験では能力を発揮できるかもしれない。
ジャンルを問わず経験を重ねていくことで『得意』を見つけることができ、さらに自信へと繋げることができます。親にとってもうれしいことです」(児玉さん)
「子連れワーケーションをするようになってから、子どもに対する罪悪感がなくなった」と児玉さんは言います。
自分らしく子育てをすることも、働き続けることもどちらもあきらめない。
今は「新しい働き方」として注目される子連れワーケーションですが、こうした動きが一過性のブームに終わらず、選択肢の一つとして世の中に定着するまで児玉さんの挑戦は続きます。
子連れワーケーションは世の中的にもまだまだチャレンジ期間です。「最初から成功を求めない」ことが最大のポイントであり、「まずはちょっとやってみよう」という軽い気持ちでチャレンジしてみることが大切だとわかりました。
それぞれに理想の子育てと働き方を叶えられる手段として、今後もますます注目です。
取材・文/稲葉美映子
※児玉真悠子さんに教わる「子連れワーケーションのはじめ方」は全3回。
#1 認知度8割・実践4%のワーケーションを「子連れ」でやった賢い工夫
#2 子連れワーケーションは仕事・子ども・滞在先「三方よし」
稲葉 美映子
フリーランスの編集者・ライターとして旅、働き方、ライフスタイル、育児ものを中心に、書籍、雑誌、WEBで活動中。保育園児の5歳・1歳の息子あり。趣味は、どこでも一人旅。ポルトガルとインドが好き。息子たちとバックパックを背負って旅することが今の夢。
フリーランスの編集者・ライターとして旅、働き方、ライフスタイル、育児ものを中心に、書籍、雑誌、WEBで活動中。保育園児の5歳・1歳の息子あり。趣味は、どこでも一人旅。ポルトガルとインドが好き。息子たちとバックパックを背負って旅することが今の夢。
児玉 真悠子
編集者・ライター。株式会社ソトエ代表取締役。一般社団法人日本ワーケーション協会公認ワーケーションコンシェルジュ。慶應義塾大学文学部卒業後、出版社に勤務。ビジネス系出版社で書籍編集を経験した後、2度目の育休を経て独立。2021年2月に株式会社ソトエを立ち上げ、「親子deワーケーション」の企画・運営・発信事業を通じて、仕事と子育てをどちらも大事にできる暮らし方を普及している。 Twitter @mayukoda 親子deワーケーション
編集者・ライター。株式会社ソトエ代表取締役。一般社団法人日本ワーケーション協会公認ワーケーションコンシェルジュ。慶應義塾大学文学部卒業後、出版社に勤務。ビジネス系出版社で書籍編集を経験した後、2度目の育休を経て独立。2021年2月に株式会社ソトエを立ち上げ、「親子deワーケーション」の企画・運営・発信事業を通じて、仕事と子育てをどちらも大事にできる暮らし方を普及している。 Twitter @mayukoda 親子deワーケーション