子どもにペットを飼うなら何歳から? 3~4歳が最適な理由と「おすすめの動物」を獣医師が解説

獣医師・西井丈博先生に聞く「子どもとペットのいい関係」#2

星野 早百合

お世話の習慣を身につけさせたいなら魚

ペットの健康管理は、飼い主の仕事。「あらかじめかかりやすい病気や手入れの方法を知っておくと、お互いにストレスなく、ペットの健康寿命を延ばすこともできます」(西井先生)。  写真:村田克己

――犬や猫のほか、ハムスターや鳥もペットとして人気ですね。

西井先生「ハムスターは手のひらに乗るサイズで、その子の重みを感じながらかわいがってあげられる動物です。基本は夜行性で、夜のほうが活発に動きます。

ただ、寿命が2年程度と短く、体が小さくて病気のサインに気付きにくいため、さらに寿命を縮めてしまうことも。

性格は繊細で、ベタベタ触るとストレスを感じる場合があります。一方的に触るのではなく、手のひらや体の上にそっと乗せて、ハムスターのペースに合わせた遊び方をするといいのではないでしょうか。

ペットに人気の鳥といえば、昔から文鳥やセキセインコですが、人が好きで意外と懐きます。セキセインコやオウムはよくしゃべる鳥で、実際に会話ができるわけではありませんが、おしゃべりしているような感覚を味わえる楽しいペットですね。

鳥も犬や猫と同様、種類によって性格が異なるので、迎える前に調べたほうがいいと思います」

――魚を飼っている家庭も多いですよね。

西井先生「毎日ごはんをあげていると、そのうち水槽に近づくだけで魚が寄ってくるようになり、なかなかかわいいものです。子どもにお世話の習慣を身につけさせて、生き物を愛でる気持ちを養いたいなら、魚という選択肢も。

魚なら、犬と違って気軽に旅行もできます。初めて飼う人には、水温や水質の管理が難しい魚より、金魚やメダカといった丈夫な魚がおすすめです。

要は、<ペットに何を求めるか>ではないでしょうか。家族の一員がほしいのか、生き物を飼いたいのか。犬には犬、猫には猫、魚には魚、それぞれに表情や表現の仕方がありますが、やはり魚は、基本的には<観賞用>です。

感情を共有したり、やり取りできたりするペットを求めるなら、犬や猫のほうがよいと思います。そういった視点から、ペットを選ぶのもよいかもしれませんね」

第3回は、ペットがいる家庭に赤ちゃんが生まれるときの注意点を伺います。

西井先生が院長を務める『阿佐ヶ谷動物病院』は、JR阿佐ヶ谷駅、高円寺駅からそれぞれ徒歩15分。地域に愛される総合診療科の動物病院だ。  写真:村田克己
とてもわかりやすく教えてくださった西井丈博先生。   写真:村田克己

PROFILE
西井丈博

にしいたけひろ 獣医師、阿佐ヶ谷動物病院院長。麻布大学獣医学科を卒業後、神奈川県や東京都内の動物病院で経験を積み、2002年、東京都・杉並区に『阿佐ヶ谷動物病院』を開業。その後、現在の場所へと移転し、犬や猫をはじめとする動物の診療にあたる。NPO法人ワンコレクションの活動に賛同し、都内の小学校等で子どもたちに動物の接し方や命の大切さを教える“動物の授業”を行っている。

●阿佐ヶ谷動物病院 
https://www.asagaya-ah.com/
●NPO法人ワンコレクション 
http://www.onecollection.org/

18 件
ほしの さゆり

星野 早百合

ライター

編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。

編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。