「子どもの思い出の品」収納術 プロが教える「モノは手放し思い出を残す」方法

本多さおりさんに教わる「子どものモノ」収納レッスン#3 思い出の品・写真編

整理収納コンサルタント:本多 さおり

「今使っているモノ」以外は手放す気持ちで

――お話を聞いていると、片付けるには、まず「手放すこと」が大事だなと感じました。本多さんの「モノを手放すときの基準」は何でしょうか?

本多さん「シンプルに『今、使っているか』。あるいは『必ず使うと、自信を持って言えるか』。それ以外のモノは、基本的に家から出す気持ちでいます。

最近、ようやく育児百科を手放すことができました。病気のことを調べるからと取っておいたのですが、子どもの具合が悪くなると、結局ネットで調べるんですよね。『これ、使う?』と自分に問うと、『使わなくてもいい』というモノが意外と出てきます」

――「いつか使うかも」では、モノが増え続ける一方ですもんね。

本多さん「そうなんです。だから、『使わないと決める』という側面もあります。私は迷うのが苦手なので、手放すことで『使うかな、どうしようかな』という心の状態から解放されることを優先したいと思っています。思いきりよく手放したモノを、のちのち『やっぱり捨てなきゃよかった』と後悔したことはないですね。

たまに『あれ捨てちゃったけど、また買おうかな』というモノもあるのですが、その年月の間にモノ自体が進化しています。アップデートしたモノを改めて買うのも、意義があるのではないでしょうか」

モヤモヤしたら収納の見直しのタイミング

――子どもが自分で片付けるようにするには、どんな収納を心掛けたらいいでしょうか?

本多さん「大人と同じなのですが、動くなど動作の手間をなくして、簡単に片付く仕組みを提供するといいのかなと思います。

そのためには、親がある程度モノを整理しなければいけないので、整理は欠かせません。<使うモノを、使いやすく収める>が収納の意味なので、私も常に心がけていますね」

――忙しくて時間が取れないパパママも多いと思いますが、整理や収納の見直しは、どれぐらいの頻度で行うといいでしょうか?

本多さん「頻度はあまり関係なく、『なんか使いにくいな』『イヤだな』と、モヤモヤしたタイミングでやったらいいと思います。そこには、モヤッとする理由が必ずあって、理由を突き詰めていくと、収納に問題があることが多いです。

使う場所から遠かったり、子どもの背の高さでは届かなかったり、ぎゅうぎゅうに詰め込み過ぎていたり……。そうすると、モノを見直す、選別する、入れ物を変えるという発想が出てきます。

忙しい中でも一度、テコ入れして快適になる体験をすると、『クローゼットをやろう』『本棚を片付けよう』と、やる気が出てきます。まずは1ヵ所、がんばってみるといいですね」

――ありがとうございます。最後に、収納に悩んでいるパパママへのアドバイスをお願いします。

本多さん「子どもはどんどん成長していく、変化の早い生き物ですよね。モノや洋服も含めて、常に<最適>が変わっていきます。でも、一度、収納の仕組みさえできてしまえば、あとは見直しや点検をしていけばいいだけ。ちょっと大変でも、まずは今に合った仕組みをしっかり整えることが大事だなと思います」

本多さん曰く、モヤモヤの原因は“よくわからないこと”。「収納の中のモノを全部出して確認するだけでも、心の中がすっきりしますよ」。 写真:深澤慎平

全3回にわたってご紹介した、本多さんの収納術はいかがでしたか?
「子どもが小さいうちは、モノが増えて当然」「散らかっても仕方がない」と、あきらめがちですが、日々の心がけと小さなアイデアの積み重ねで、いつも部屋をきれいに保つことができそうです。
ぜひ、みなさんも参考にして“子どものモノ”の収納に役立ててくださいね。


取材・文/星野早百合

本多さおりさんの記事は全3回です

第1回(#1) カオス化するおもちゃ箱! 収納のプロが教える「子どもが片付けやすい仕組み」
第2回(#2) 子ども服&絵本は<使う場所のそば>がラクチン!「本多さんち」の収納ルール

コロナ禍で大きく変化した暮らしの中、本多さんが最近変えたこと、やめたこと、実際に取り入れてよかったこと・モノなどを紹介する最新刊『私をあたらしくする51のこと―暮らしと自分アップデート』(大和書房)が好評発売中。暮らしをラクにするヒントが詰まった1冊です。
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ほんだ さおり

本多 さおり

整理収納コンサルタント

整理収納コンサルタント。1984年生まれ。2010年に整理収納アドバイザー1級、2011年に整理収納コンサルタントの資格を取得し、個人宅向けの整理収納サービスをスタート(現在はオンラインのみ)。ラクに片付き、家事がしやすい仕組みづくりを優先した収納術が話題となり、書籍や雑誌、Webサイト等など、さまざまなメディアで活躍中。 『私をあたらしくする51のこと―暮らしと自分アップデート』(大和書房)、『暮らしをそのままの自分に寄せて―「ちゃんとやろう」じゃなくていいー』(主婦の友社)をはじめ、著書多数。6歳(2016年生まれ)と4歳(2018年生まれ)、ふたりの男の子の母。 ●公式ウェブサイト:暮らしをシンプルに愉しむ ●Instagram:saori_honda

整理収納コンサルタント。1984年生まれ。2010年に整理収納アドバイザー1級、2011年に整理収納コンサルタントの資格を取得し、個人宅向けの整理収納サービスをスタート(現在はオンラインのみ)。ラクに片付き、家事がしやすい仕組みづくりを優先した収納術が話題となり、書籍や雑誌、Webサイト等など、さまざまなメディアで活躍中。 『私をあたらしくする51のこと―暮らしと自分アップデート』(大和書房)、『暮らしをそのままの自分に寄せて―「ちゃんとやろう」じゃなくていいー』(主婦の友社)をはじめ、著書多数。6歳(2016年生まれ)と4歳(2018年生まれ)、ふたりの男の子の母。 ●公式ウェブサイト:暮らしをシンプルに愉しむ ●Instagram:saori_honda

ほしの さゆり

星野 早百合

ライター

編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。

編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。