全公開【子育て中のリスキリング】“国家試験合格“への道 発達障害のシングルマザーが見つけた「頭に残る」勉強法

第3回【試験直前】アラフォーADHD&シングルマザーの「リスキリング」~ポンコツ脳の壁~

どう勉強したらよいのかまるで見当がつかなかった1年目

私がめざす社会福祉士の国家試験日は2025年2月2日だった。試験に合格するための勉強時間の目安は、一般的に300時間程度だといわれている。1日2時間勉強すれば約5ヵ月、1日1時間勉強すれば10ヵ月ほどだ。

それだけ聞くと実現可能にも思えるけど、常に何かが勃発し、計画倒れになりがちなのが子育て世代だ。スタートは早ければ早いほど有利なのは間違いない。……そうわかっていながらも、結局私が本格的に勉強へ取りかかれたのは、2024年の11月下旬以降、つまり試験の約2ヵ月前だった。

もちろん、それまで一切勉強していなかったわけではない。たとえば、2023年の秋ごろ、試験対策用のテキストを買って持ち歩き、暗記にチャレンジしたことがあった。だけど、全く頭に入らず、読んだ1秒後にはすっかり忘れてしまう。ほかにも、過去問アプリをスマホにダウンロードして、隙間時間に解いて解説を見ることもあった。でもやっぱり覚えられない。

今思えば、これらの勉強は、知識のない私がいきなりインプットするには難しすぎた。ひと通りの勉強を終えた段階で使えば知識の強化になったはずだ。要は、教材を使うタイミングを間違えていたのだ。

養成校指定のテキスト群。これ全てが出題範囲だとか……。中身を開くと似たようなカタカナ言葉や制度名などが羅列されていて全く頭に入らなかった。
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覚えられない&わからないを繰り返し、勉強の暗中模索が続いていた2024年4月、あるYouTube動画を見つけた。

その無料動画は、小難しい制度や法律などの内容を、わかりやすくかみくだきながら、なぜその制度ができたのか、どんな意味があるのか、背景を交えてストーリー形式で解説してくれるのだ。これは私の「わからない」に画期的に響いた。

また、語呂合わせや替え歌による暗記法も多数教えてくれ、これもありがたかった。
たとえば、杖歩行についての問題。

杖歩行の順番は、平地では「杖→患側の足→健側の足」、階段をあがるときは「杖→健側→患側」、階段を下るときは「杖→患側→健側」。

この問題は何度解いても、理由を理解していても、どうしても覚えられなかった。それが、階段をあがるとき以外は「つっかけ」(「つ」=「杖」、「か」=「患」、「け」=「健」)と覚えればよいと聞いて、二度と間違えることはなくなった。学生時代も「鳴くよ(794)ウグイス平安京」を覚えたっけ。語呂合わせはやはり強い!

YouTubeには勉強の仕方やスケジュールも示されていた。まずは、その先生がYouTubeにあげた160本超の講義動画を3周は見ること。動画を見た後に、動画に応じたテキストを読み、知識を定着させていく。なお、動画とテキストは、解説後は必ず過去問があり、インプットの直後にアウトプットできる構成になっていた。

勉強の方向性が少しだけ見え、動画を見始めたのは2024年の5月ごろ。試験まで約8ヵ月、この時期からちゃんと始めれば、余裕で「動画を3周」できるという。だが、前回(#2)述べたように、何度勉強計画を立てても、子どもと自分の体調不良などでことごとく破綻していた。

2024年9月になっても、10月になっても、1周目すら見終わらない。せめて、11月の模試に向けて1周目を終え、膨大な試験範囲を一通り網羅はしたい。そんな目標もかなわなかった。

忘れっぽい頭に劇的に響いた勉強法とは?

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