子どもの勉強 「苦手意識」を克服する「没頭力」を人気教育家が解説

教育家・石田勝紀さんに聞く、勉強に「好奇心」を持ってもらう引き出し方 #2 苦手意識を自然となくす方法

教育家:石田 勝紀

自己肯定感を上げる「魔法のことば」

──そうは言っても、いざわが子を前にすると、「これもやってない!」、「あれもできてないじゃないの!」と、欠点ばかりについ目がいき、気になってしまいます。

石田さん:欠点や短所はあえて指摘しないでおきましょう。子どもが自分で気づいて直せたほうが成長しますから。

親がすべきことは、「あなたは今のままでOKだよ」と伝えること。つまり、子どもの自己肯定感を上げることなんです。それは言葉の力で簡単に上げられます。

「親御さんは、そのままの子どもでいい、ということを伝えましょう」(石田さん) 

──例えば、どんな言葉がけが良いのでしょうか。

石田さん:お手伝いしてくれたら「ありがとう」、「助かるよ」、「うれしい」という承認ワードですね。日常的に、気軽にポンポン言ってあげるのがおすすめです。

学校で新しく習った勉強の話をしてきたら、「そうなの? 知らなかった~」、「すごいね!」、「さすがだね」と素直に聞いて、褒めてあげてください。

そうやって、親がポジティブな言葉を口にすることで、子どもはどんどん変わっていきます。逆に「早くしなさい」、「ちゃんとしなさい」、「勉強しなさい」は、子どもの自己肯定感を破壊します。

今までたくさんの子どもたちを見てきて、自己肯定感がある程度満たされていれば、学力も絶対に何とかなると私は思っています。

親御さんに覚えておいてほしいのは、「勉強を教えるのは、教師や塾の先生の役目」、「親の役目は、わが子をありのままで認めてあげること」です。
子どものチャレンジ精神も、親子の信頼関係も、そこから生まれるものだと、私は思っています。

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勉強への苦手意識を克服し、学力を上げるには、まず子どもの自己肯定感を高めることだとお話しいただきました。

次回、最終回となる3回目では、親子の関係を悪化させずに、子どもの勉強をどのようにサポートしたらよいかをお聞きします。

取材・文/鈴木美和
撮影/冨貴塚悠太

石田勝紀さんの連載は全3回。
1回目を読む。
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(3回目は6月30日公開。公開日までリンク無効)

15 件
いしだ かつのり

石田 勝紀

教育家

1968年、横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。これまで5万人以上の子どもに学習を指導。指導内容は知識の詰め込みではなく、「心を高める」「生活習慣を整える」「考えさせる」の3つを柱にすることで学力だけでなく、自己肯定感も引き上げる独自のメソッドを確立。 一般社団法人「教育デザインラボ」代表理事。現在は「日本から勉強嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、全国で「カフェスタイル勉強会〜Mama Café〜」を主宰。 主な著書『声かけ×仕組み化×習慣化で変わる! 子どものやる気の引き出し方』(日本能率協会マネジメントセンター)、「中学生の勉強法2.0」(新興出版社啓林館)、「子育て言い換え事典」(KADOKAWA)、「子どものスマホ問題はルール決めで解決します」(主婦の友社) オフィシャルサイト:http://www.ishida.online/ Twitter @ki0701ki 音声配信Voicyで子育て・教育相談毎日配信:https://voicy.jp/channel/1270 

1968年、横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。これまで5万人以上の子どもに学習を指導。指導内容は知識の詰め込みではなく、「心を高める」「生活習慣を整える」「考えさせる」の3つを柱にすることで学力だけでなく、自己肯定感も引き上げる独自のメソッドを確立。 一般社団法人「教育デザインラボ」代表理事。現在は「日本から勉強嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、全国で「カフェスタイル勉強会〜Mama Café〜」を主宰。 主な著書『声かけ×仕組み化×習慣化で変わる! 子どものやる気の引き出し方』(日本能率協会マネジメントセンター)、「中学生の勉強法2.0」(新興出版社啓林館)、「子育て言い換え事典」(KADOKAWA)、「子どものスマホ問題はルール決めで解決します」(主婦の友社) オフィシャルサイト:http://www.ishida.online/ Twitter @ki0701ki 音声配信Voicyで子育て・教育相談毎日配信:https://voicy.jp/channel/1270