「働かなくて悲しくないの?」スウェーデンと日本の「子育て」驚きの差とは

育児にイライラしない秘密を伝授 心地よいスウェーデンの子育て #1

次女ミンミンさんと一緒に。いつもは井浦さんが写真を撮るため、自分が写っているものは少ないそう。ママが撮影に奔走するのは万国共通!?  写真提供:井浦ふみ
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子どもを産み育てやすい国として知られている北欧スウェーデン。US News & World Reportが発表している「子育てがしやすい国ランキング」の結果(2019年〜20年)でも毎年トップ3内に入っており、その環境の良さがうかがえます。

とはいえ、私たちが知っているスウェーデンの子育ては、こういった結果によるイメージ先行型です。実際にスウェーデンに住み、子育てをしている方は、なにが子育てをしやすくしていると感じているのでしょうか。

スウェーデン人の夫、子ども2人と現地で暮らしている井浦ふみさんに、心地よいスウェーデンの暮らしとその子育ての秘密についてうかがいます(全2回の1回目)。

◆井浦 ふみ(いのうら ふみ)
福岡県出身。美大卒業後にデコレーターとして働いたあと、渡仏。南仏でスウェーデン人である現在の夫と出会う。パリでの生活を経てスウェーデンに移住し、結婚。長女をスウェーデンで、夫の仕事の関係で次女を日本で出産し、2国での子育てを経験する。

スウェーデンと日本で出産し、2国での子育てを経験

井浦ふみさんがスウェーデンに移住したのは今から23年ほど前のこと。現在の生活に至るまでの経緯を次のように話します。

「美大を卒業してデコレーターとして勤務し、まずは海外に渡るお金を貯めました。そして26歳で渡仏し、南仏でスウェーデン人の男性と出会ったんです。それが現在の夫で、スウェーデンへの移住のきっかけとなりました。

スウェーデンに移住したあとに34歳で結婚して、翌年に長女のヤヤを出産しました。

その6年後に次女のミンミンを授かったのですが、その頃は夫の仕事の都合で日本に住むことになっていたので、次女は大阪で出産しました。

つまり、スウェーデンと日本での出産と子育てを経験していることになります」(井浦さん)

2国での出産と育児は、井浦さんに気づきを与えてくれます。

「スウェーデンでの出産は初産だったことと、私が語学学校を出たばかりでスウェーデン語がそこまで上手ではなかったことも手伝っていろいろと大変で……。

ただ、スウェーデンの出産はとてもワイルドというか、自然だと感じました。日本と違って、基本的にエコー検査は妊娠中に1度きりで、体重制限もありません。だから、スウェーデンの妊婦さんはほとんどがどすこい体型なんですよ。

無痛分娩がいいのか、笑気ガスを使うのか、鍼灸を使うのかというほかに、産む姿勢はどんな体勢が希望なのかだとか、バースプランも自分で選べます。

一方、日本は体重制限もありますし、エコー検査も毎回してくれます。健診から出産まで同じ先生と助産師さんが細やかなケアをしてくれます」(井浦さん)

スウェーデンでは初産の場合は通常2泊で退院しますが、安産だった場合は1日で帰宅させられることもあるそう。

妊婦の体調管理や産院の対応を踏まえると、井浦さんは「出産に関しては、日本のほうがダンゼン手厚い」といいます。とはいえその後、日本での子育て期間を経てスウェーデンへ帰国すると、スウェーデン流のワイルドで緩やかな子育ての良さに改めて気づいていきます。

左から日本で出産した次女のミンミンさん、中央が日本で幼稚園〜小学校1年生の1学期まで通ったことがある長女ヤヤさん、右は2人の従姉妹。  写真提供:井浦ふみ
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