
『くものきれまに』試し読み公開!【シリーズ累計発行部数380万部を誇るロングセラー『くものきれまに』の冒頭を公開!
「あらしのよるに」シリーズより『くものきれまに』の試し読みを公開!
2025.02.24

オオカミのガブとヤギのメイが「食う・食われる」の関係を超えて友情を育む物語、『あらしのよるに』。
「ともだちだけど、おいしそう」のキャッチコピーで親しまれる本作は、1994年の初刊行以来、多くの読者に愛され続けています。
そしてこのたび、20年ぶりとなる新刊『新あらしのよるにシリーズ(1) あいことばはあらしのよるに』が3月12日(水)に発売されます!
本記事では、本シリーズ3作目となる『くものきれまに』の試し読みを公開!
ガブから見たら、メイのともだちは大好きなごちそう。
メイのともだちタプと出会ってしまったガブは、タプを食べてしまうでしょうか。
「あらしのよるに」シリーズ第3章『くものきれまに』

作:きむらゆういち 絵:あべ弘士

くもの きれまから、ようやく ごごの たいようが かおを だした。
ポプラなみきが いっせいに かげを おとし、みちばたの みどりが あざやかに うかびあがる。

「メイ、どこに いくんだい?」
ふとった ヤギが、おかを のぼる ヤギに きいた。
「え? いや、あの……ソヨソヨとうげに。」
「えー!? あの あたりは、ときどき オオカミの でる ところじゃないか。」
「はい、でも、ともだちと やくそくしてて。」
「そうか。でも、きを つけなよ。あそこで オオカミの ひるめしに された やつが いるんだからね。」
「ハハ、だいじょうぶですよ、タプ。」
ふとった ヤギの なまえは タプと いった。
「メイの、その のんきな ところが、しんぱいなんだよ。」
「はいはい、きを つけて いってきますよ。」

メイは タプに わらって みせると、おかを のぼりはじめた。
としうえの タプは、ちいさい ときから、なにかと メイを かばってくれてきた。
しんぱいそうな タプの まなざしを せなかに かんじながら、メイは ソヨソヨとうげに いそいだ。
ソヨソヨとうげで メイと まちあわせを している ともだちとは、なんと、その オオカミだった。
二ひきは、あらしの よるに まっくらな こやの なかで であい、
あいてが だれだか わからないまま、かたりあった。
そして、とうとう、ともだちに なってしまったのだ。
20年ぶりの新刊『新あらしのよるにシリーズ(1) あいことばはあらしのよるに』は大好評発売中!
「あらしのよるに」シリーズから、20年ぶりの新刊となる『新あらしのよるにシリーズ(1) あいことばはあらしのよるに』は、大好評発売中!
新刊『新あらしのよるにシリーズ(1) あいことばはあらしのよるに』では、オオカミとヤギという種族の壁を超えて友情を育んだガブとメイの物語が「家族」へと発展する新たな展開を描きます。
この春、「あらしのよるに」シリーズで、心温まる感動を体験してみませんか?

【書名】『新あらしのよるにシリーズ(1) あいことばはあらしのよるに』
【著者名】作:きむらゆういち 絵:あべ弘士
【発売日】2025年3月12日
【定価】1760円(税込)
【ISBN】978-4-06-538386-5
【内容】食うもの(オオカミ)、食われるもの(ヤギ)の壁を超えておだやかに暮らしているオオカミのガブとヤギのメイ。仲良しなのに、実はおたがい隠している秘密があるようで、疑りあってしまいます……。友情をつづけるのはむずかしい? そんなことはありません。自分を信じて、大切な人を信じるすばらしさを感じさせてくれる絵本です。新しい友だちを得て、より新しい関係をつくる2匹にぜひ出会ってください!
◆作者・きむらゆういちさんからのメッセージ◆
今の世界情勢を見ると、まさに今のほうがこの物語が必要になっていると思います。人種が違っていても、肌の色が違っていても、偉い人とそうでない人でも、金持ちでも貧乏でも、友情が生まれるかもしれません。その友情を信じていれば、あらゆる困難にも打ち勝ち、新天地に向かうことができる、と思っています。
児童図書編集チーム
講談社 児童図書編集チームです。 子ども向けの絵本、童話から書籍まで、幅広い年齢層、多岐にわたる内容で、「おもしろくてタメになる」書籍を刊行中! Twitter :@Kodansha_jidou YA! EntertainmentのTwitter :@KODANSHA_YA_PR
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