2歳から 「絵本ナビ」が厳選する 「ともだちって何だろう?」の絵本3選

絵本の情報サイト「絵本ナビ」編集部が選ぶ 新しい出会いの時期に読みたい絵本

写真:アフロ

5月の絵本 「ともだちって何だろう?」の絵本

年間2000万人が利用する絵本情報サイト「絵本ナビ」の編集者が選ぶおすすめの絵本や児童書を季節のテーマに合わせて紹介していくこの連載。たくさんの絵本や児童書の中から、絵本のプロが選んだとっておきの3冊をご紹介します。

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第23回5月の前半は、「ともだちって何だろう?」と、立ち止まったときにおすすめの絵本をご紹介します。

4月から始まった新しい生活が少し落ち着いてくると、見えてくるのは「ともだち」とのかかわり。

ともだちがまだできないな……。

あの子とどうやったらなかよくなれるかな。

引っ越していったともだちに会いたいな。

ともだちのことで悩んだとき、心を軽くしてくれる絵本をあつめました。

2歳~「コッコさんのともだち」内気な子でもだいじょうぶ! おともだちができるまで

「コッコさんのともだち」片山 健/作・絵 福音館書店

あらすじ

保育園のへやのすみ。ひとりぼっちで立っているコッコさんは、なかなかみんなと遊べません。

「ふたりずつ てを つなぎましょ」さあ困りました、コッコさん。誰と手をつなげばいいんでしょう……。

絵本ナビのすすめる「コッコさんのともだち」のみどころ

なかなか上手にみんなの輪のなかに入れなかったコッコさんが、同じようにもじもじしているアミちゃんに出会い、少しずつみんなと遊べるようになるまでのお話。

コッコさんは自分かな、それともとなりでもじもじしているあの子かな、そんなふうに読んでみると、みるみる絵が動き出し、まわりのみんなの声まで聞こえてくるようです。

繊細でかわいらしいお話から、「うれしい」気持ちが伝わってきます。

読者のレビュー

子供の世界とは?
子供の視点から、友達づくりを表現している本です。ちょっとした事がきっかけで子供は友達を作れるんだ、ということが分かる本です。

内気な娘を持つ親としては、この本を読み聞かせながら、ちょっと安心してしまいました。コッコさんは友達とけんかして、どういう風に感じたのか?ということが短い文章で上手に書かれています。

幼稚園・保育園などに通われているお子さんにはぜひ!
(モモメロンさん・30代ママ)

4歳~「みちとなつ」奇跡の出会い! 遠くに住むふたりがもつ秘密の共通点とは?

「みちとなつ」杉田 比呂美/作 福音館書店

あらすじ

大きな町に、お母さんとふたりで暮らす、みち。海辺の小さな町に、大家族で暮らす、なつ。環境も生活も性格だって違うふたりは、まだ出会ってはいません。けれど、ふたりには共通の趣味があり、それがきっかけとなって……。

絵本ナビのすすめる「みちとなつ」のみどころ

この広い世界のなかで、自分とは全然違う場所で暮らす知らない誰かと出会うことなんて、想像もつかないけれど。気の合う友だちになれるなんて奇跡のようだけれど。でも、ふたりのものがたりを読んでいると、「もしかしたら……」と心が浮き立ってくるのです。

広くて青い空と海を背景に、ふたりの少女の出会いを爽やかに描き出すこの絵本。どんな性格の子にも、世界が広がるこの瞬間が訪れますように!

読者のレビュー

ハート型の石と丸くなったガラスのかけら
人と人の出会いって、不思議。
そんなことを爽やかに体感させてくれる物語。
都会の町に住むみち。
海辺の町に住むなつ。
二人の少女が、全く違う環境で生活していながら、あるきっかけで出会うのですね。
大きい町と小さい町、小家族と大家族、物静かと活発などなど、
二人の対比があるだけに、唯一の共通点が輝きます。
ハート型の石と丸くなったガラスのかけら。
こんなところに接点があるなんて、出会いは不思議です。
そう、だから、読者にだって、ね。
そんなメッセージも感じました。
小学生くらいから、素敵な出会いの瞬間を体感してほしいです。
(レイラさん・50代ママ)

5歳~「いつだって ともだち」ともだちとの別れを乗り越える 森の賢者の教え

「いつだって ともだち」モニカ・バイツェ/文 エリック・バトゥ-/絵 那須田 淳/訳 講談社

あらすじ

大好きだった親友が引っ越してから、さびしくて元気のなかったピンクの子象ベノが、森の賢者フクロウから教えてもらった「元気になるための3つの方法」とは?

絵本ナビのすすめる「いつだって ともだち」のみどころ

元気をなくしたベノにフクロウが教えた3つの「できること」とは、「悲しいときにはがまんせずに泣くこと」「悲しい気持ちを誰かに話すこと」「心のなかにともだちの部屋をつくること」。

引っ越しや進学など、突然ともだちと離ればなれになってしまうことも多い子ども時代。そんなときは、忘れてしまうのではなく、心の中に大切にしまっておくことが大事。子どもにはもちろん、大人になっても覚えておきたくなる素敵なお話です。

読者のレビュー

友達とのお別れ
この春、娘のお友達が引っ越しました。
娘も卒園という、大きな別れを経験しました。
やはり、ふとした時に「○○ちゃん、会いたいな」など言って、思い出すようです。

この絵本のベノも、おんなじです。
でも、素敵なアドバイスがありましたね。
この3つのアドバイスは、子供も大人も、きっと役に立つと思います。

最後は、明るく前向きになれました。
(なしなしなしさん・30代ママ)

きみはどう感じた? ともだちへの思いを伝えよう

大人でもうまくいくことばかりではない、「ともだち」との関係づくり。

性格や育った環境もばらばらな子どもたちが抱く感情は、ひとそれぞれです。同じ状況や言葉にも、それぞれ違う思いを抱くでしょう。

そんなとき、絵本の中のものがたりを通じて喜びや悲しみを知ることが「ともだち」とわかりあえるヒントになるかもしれません。

自分や身近なともだちに似ている子を親子で探しながら、それぞれの思いを伝えあってみてはいかがでしょうか。

レビューは絵本ナビサイトからの抜粋です。

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